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2025年10月23日(木)12:30~17:45

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データ活用で「営業のPDCA」を確実に──日立ソリューションズがLBC×SFAで実現した営業変革

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営業の「PDCA」 各ステップでデータ活用を実践

 では、実際に営業メンバーはどのようにデータを活用しているのか。石原氏は、営業の「PDCA」の各ステップでデータを活かしていると説明した。

1. Plan

 まず「Plan」の戦略設計で使うのが、日立ソリューションズが独自に設計し活用している「HEATMAP(ヒートマップ)」のダッシュボードだ。HEATMAPとは、どの顧客にどの商材が導入されているのか、顧客の軸と事業の軸のクロスで表現したものである。

 縦軸に企業マスターデータ、横軸に同社の商品データを並べたダッシュボードになっており、業種や製品で絞り込んで表示することが可能。取引実績が色の濃さで表示されるため、横展開を検討する際に、自社の強み・実績を直観的に捉えることができる。たとえば、「Aの商品はこの業種によく売れているのに、同業種のこの企業にはまだ売れていない」といった“積み残し”が見えてくる。

 営業チームでは、目標予算に対して、既存顧客・新規顧客からそれぞれどれくらい受注が見込めそうか、見立てたうえで営業活動を行っていく。その中で、新たにチャレンジするべき市場を定めるのに、このHEATMAPが役立っている。

 ユーソナーの鈴木氏は、「現状を色で見えるようにするとわかりやすい。現場の人と共有しやすくなる」と評価した。

ユーソナー株式会社 営業本部 企画グループ 執行役員 鈴木彩乃氏

新卒でユーソナー社(旧ランドスケイプ社)に入社後、10年で営業本部企画グループ執行役員に就任。 大手SIer、金融機関などさまざまな業界の企業に対して顧客データを軸としたマーケティングを支援する。 「全員が売れる営業チームを作る」というマインドでチームビルディングを実行し、目標の大幅達成を継続している。

2. Do

「Do」の戦略実行においては、SFAによる案件管理が進んでいる。とはいえ石原氏は、「ここはまだ弱いところ。当社のSFAは抜け漏れのない案件管理台帳ではあるものの、細かい折衝履歴の情報は足りていない」と現状の課題を明らかにした。

 今後は、営業メンバーの活動を支援するツールの導入を進めて、営業活動の内容も蓄積していくという。たとえば、商談録音から顧客ニーズや営業メンバーの行動を分析してくれるAIツールをトライアル中だ。

「こうしたツールを使って営業活動の状況を蓄積できた暁には、営業活動の“型化”に取り組みたい。メンバー自身が、“型”と自分の行動・状況の差がわかるようになると、自信を持って次のアクションに踏み出せると思います」(石原氏)

3. Check

 その次の「Check」(実行状況評価)のステップでは、Salesforceが提供するBIツール「Tableau」で作成した業績ボードを活用している。

 予算額、実際に案件として登録されている案件を足し合わせた総額、そしてパイプラインの状況を加味したシミュレーション値が、3本の折れ線グラフで表されている。この3本の線を見るだけで、誰でも現在の業績と達成見込みを判断できる。

 石原氏は「この業績ボードができたことで、業績会議前に案件をExcel上に並べて集計する作業がなくなった」と言い、現場の負荷軽減にもつながっている。

 これも、ベースに正確な企業・商品のマスターデータベースがあるからこそ。石原氏は「データに対する信頼が高いため、幹部もこのデータに信用を置いてくれている」と語った。

4. Action

 PDCAの最後の「A」は、通常「Action」(改善)を指すが、石原氏は、日立ソリューションズの営業組織では「Action」に加えて「Analyze」(分析)も含まれると述べた。

 パイプライン管理によって状態の可視化は進んだ。次に重要なのは「営業メンバーのスキルや、組織としてのポテンシャルを伸ばせるかどうか」だと石原氏は言う。

 というのも、営業の成果は、業界や顧客企業といった外的要因に左右される。「顧客が売上を伸ばしているから、予算を達成できた」というケースも多い。予算の達成・未達成だけを見るのではなく、中長期的に組織が成長できているかを評価する必要がある。

 そのために活用されているのが、営業KPIダッシュボードだ。

 このダッシュボードを通じて、顧客企業の年間売上情報のデータを参照し、顧客成長率に合わせて受注を伸ばせているかまで分析している。

 ここまで、日立ソリューションズのPDCAの内容を聞いた鈴木氏は「お客様の成長度合いも定期的に確認しながら、必要な提案を見定めている。理想的なデータ活用の進め方」だとコメントした。

 この営業活動のPDCAを回す際、石原氏は「感覚ではなくデータに基づいて行動すること」を重視しているという。

「データに基づくと、客観的な判断ができ、合意形成しやすい。データを根拠に説明すると、『なぜそれを行ったのか?』が明らかになるため、取り組みをほかの組織にも横展開しやすくなります」(石原氏)

次のページ
管理ではなく「営業を支援する」ためのAI・データ活用へ

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この記事の著者

岡田 果子(オカダカコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ユーソナー株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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