イネーブルメントを加速させる「推進体制」の構築
高橋(SalesZine) セールスイネーブルメントは、しばしば「成果の計測が難しい」「成果が出るまでに時間がかかる」といった課題が生じます。とくに、意思決定プロセスが複雑で商談が長期化しやすいエンタープライズセールスは、さらにイネーブルメントの成果が見えづらく、定性的な評価に終始しがちです。
そうした構造的な課題に対して、各社のお取り組みをうかがっていきたいと思います。まずは鈴木さんからお聞かせいただけますでしょうか。
鈴木(LayerX) イネーブルメント活動は、推進体制の設計が非常に重要です。前職では役員である私がイネーブルメントのプロジェクトリーダーを務め、事業全体のマネジメント層を巻き込む形でスタートしました。
2004年、情報・通信事業会社へ入社。2011年に起業し、取締役CSO(戦略責任者)として経営全般に従事。2016年にセーフィー株式会社へ営業部長として入社後、執行役員 営業副本部長 兼 VPoSとしてセールス・マーケティングなどに幅広く従事。2024年、LayerXへ入社し現職。エンタープライズ部、マーケティング部、パートナーアライアンス部を管掌。
高橋 経営層からスタートしたのですね。メンバーのアサインにはどのような工夫をされましたか?
鈴木 ただメンバーを集めるのではなく、各事業部長からの合意を得たうえで、メンバーの特性を見極めました。たとえば、商品理解が高いメンバー、営業に強いメンバー、社内システムに強いメンバーというように、特性に合わせてアサインすることで施策の実効性を高めたのです。

古澤(SmartHR) 推進体制の構築において、誰を巻き込むかは非常に重要ですよね。
鈴木 ええ。それ以外にも、イネーブルメントのKGIを売上向上や生産性向上と定義し、その成果を定量的に計測するために、企画部門やデータ分析に強い部門といった、全社の数字を把握する部署を巻き込んで推進しました。
こうした活動の成果は、単なる教育効果で終わらせず、経営層に対して「事業成長に貢献している」という納得感のある形で提示することが極めて重要です。同時に、イネーブルメント活動およびその成果を役割や評価制度へ反映することも、メンバーのモチベーション維持には欠かせません。

