新組織立ち上げの背景は「現場のやりにくさ」
──二武様のこれまでのキャリアと、現在のお役割についてお聞かせください。
新卒で証券会社の営業職としてキャリアをスタートし、約5年前に旧LegalForce(現LegalOn Technologies)に入社しました。入社後はインサイドセールスのプレイヤーとして活動し、その後マネジメント職を経て、約3年前から現在のポジションに至ります。
現在、ふたつの職務領域を兼任しています。ひとつめはインサイドセールス全体の責任者、ふたつめはインサイドセールスストラテジー(ISS)という組織の現場リーダーです。
ISSは、「育成」「業務企画・改善」「キャリア開発」の3つを主な役割とし、インサイドセールス全体の生産性向上と売上貢献を目指して活動しています。
──ISSという組織が立ち上がった背景には、どのような課題があったのでしょうか。
実は、弊社のインサイドセールスでは過去にも育成や共通機能を持った組織をつくろうという動きが何度かあったのですが、継続できずに消滅していました。組織改編が多いことや、「間接部門」的な組織の優先順位が下がることが要因でした。

しかし、インサイドセールス組織のマネジメントをする中で、「やりにくさ」が常にありました。組織が拡大し、ターゲットごとにチームが細分化されるにつれて、各部署の役割や求められるスキルにばらつきが生じてきたのです。
共通機能がない状態では、各チームが独自の施策を進めることで個別最適化が生じます。たとえば、育成方法がチーム間で異なっていたため、異動先の組織で再び学び直す(アンラーニング)必要が生じるなど、非効率な状況が生まれていました。また、チームごとにマネジメントの方法が異なったり、Salesforceの運用が煩雑になったりなど、さまざまな課題を抱えていました。
そこで私は、その「やりにくさ」を解消するため、2024年下期に「非公式でISSの立ち上げをやらせてほしい」と現執行役員に話し、プロジェクトがスタートしました。これは私自身の「企画業務も経験したい」というキャリアへの挑戦でもあり、モチベーションにつながりました。
──半年で組織化に成功されたとうかがっています。
はい。私を含めた3人のメンバーで、「2025年4月に正式な組織として採用されること」を目標に設定し、活動を開始しました。半年間で、育成の仕組み化、施策の具体化などを徹底的に詰め、2月ごろには執行役員からも「組織化した方が良い」という判断を得て、正式に組織として認められました。
ISSが本格始動したこの時期は、ちょうど社内でもAIを推進する大きな流れが起きたタイミングでもあります。そこで、私たちはこの流れを起点に、AIを活用したインサイドセールス組織の業務改善を決断し、推進体制を強化することにしました。

