新入社員の70％が「今の会社で働き続けたい」、67％の上司・先輩が「新人ガチャ」を実感／JMAM調査

　日本能率協会マネジメントセンター（以下、JMAM［ジェイマム］）が展開する企業・個人向けの教育・研修メニューを提供する人材育成支援事業部では、2024年から2025年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員計2,674名を対象に「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2025」を実施した。

70％が「現在の会社で働き続けたい」

「現在の会社でずっと働きたい」と回答した新入社員は、調査開始以来もっとも高い70.9％（2020年比：＋21％）だった。

　就社志向（現在の会社でずっと働きたい意向）の高まりを裏づける結果として、今後の働き方については「今の会社の事業の中で成長したい」（73.8％）が上昇しているとともに、仕事の評価については成果・生産性よりも「何時間働いたか・何年勤続したかを考慮して評価されること」を望む声が年々増加している。

　一方で、自律的にキャリアを開発していく意識は、2022年では89.2％だったが年々低くなっており、今回の調査では65.3％まで低下した。

指導者の67％が感じる「新人ガチャ」現場で交錯する想いと上司・先輩の「育成疲労」

　希望する部署や勤務地に配属されなかった、いわゆる「配属ガチャ」を感じた新入社員は48.1％だった。

　一方、配属された新入社員に当たりはずれがある、いわゆる「新人ガチャ」を感じた上司・先輩社員は67.3％だった。人材不足かつ売り手市場により、採用競争が激化する中採用した貴重な新入社員にも関わらず、現場では育成に翻弄される上司・先輩社員の様子がうかがえる結果となった。

　また、新人指導を通じた上司・先輩社員自身の成長実感は59.7％と、2018年をピークに下降傾向にあり、現場の「育成疲労」が垣間見える結果となった。 

デジタルネイティブの死角　在宅勤務者の課題1位は「パソコンやITスキルの欠如」

　新入社員の57.7％が「感情が介入する人間の指導より、生成AIの方が効率よく学べる」と回答し、AIへの順応の高さを示した。

　一方で、新入社員が仕事において課題・不安に感じることについて、「内定時～配属前」と「配属1～3ヵ月後」「配属6～12ヵ月後」に分けて質問したところ、いずれの時期でも「パソコンやITのスキルがない」が上位5位以内に挙げられ、昨年の調査より順位が上昇した。とくに入社１年目の主な勤務先が「在宅」だった人においては課題の第1位に挙げられる結果となった。「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代であっても、ビジネスに必要なITスキルの習得支援が急務であることが明らかになった。