SaaSの地方戦略の現在地と、パートナービジネスの重要性
──吉岡様のこれまでのキャリアと、ラクスでの役割についてお聞かせください。
 
最初のキャリアは食品業界のグローバル大手で、営業・SCM(サプライチェーンマネジメント)やブランドマーケティングに携わり、問屋や卸売、そして小売店のバイヤーといった複雑なチャネルにおける関係性構築を経験しました。スタートアップの共同創業や大手外食チェーンの事業責任者を経て、ラクスには2020年に入社。「楽楽精算」の事業責任者を務め、現在は「楽楽」というブランド名がつくプロダクト群全体の事業側を統括しています。
──現在「地方戦略」に注力されているとのことですが、その背景について教えてください。
まず、近年のSaaS業界全体の動向として、多くの企業が地方戦略に注目しています。その背景として、地方市場におけるIT化、DXの余地が非常に大きいという実情が挙げられます。地方には、いまだに紙での運用が残っているなど、「ExcelやWordの先」に行けていない企業が多く存在しており、こうした既存ツールに依存した業務をクラウドサービスに置き換えていくことは、地方創生の面でも急務であると考えています。
しかし、地方市場の開拓は、マス広告や直販だけでは限界があります。実際、弊社もマス広告などを活用しながら、地方における認知率を都市部と同程度まで上げることはできています。一方で、「サービスを認知した」状態から「問い合わせをする」比率が、地方ではぐっと下がるのです。
これは、地方のお客様の「情報収集の傾向」が、都市部のお客様と異なるためだと見ています。地方では、自ら積極的に情報を取りに行かれる方が比較的少ないことに加え、周囲に導入事例が少ないため、新しいものへの導入に慎重になりがちなのです。結果として、お客様が持つ課題と当社のサービスが結びついていないケースが多くなっています。
そのため、パートナーの皆さまとアライアンスを組み、「誰かからのご紹介」というかたちでサービスを届けるモデルこそが、地方市場における最適なアプローチだと考えています。
また、エンドの企業だけでなく、地方のパートナー企業側もDXに力を入れようとしています。IT系商材以外を扱っている企業からも、「SaaSを扱いたい」という声をいただく機会が非常に増えています。だからこそ、私たちもパートナー企業と協業していくことに重要な意義があると考えており、より多くのパートナー企業と連携することを目指しています。

 
              
               
              
               
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                  
                   
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                      
                       
                      
                       
                      
                      
