データの蓄積・可視化が拓く「未来の営業組織」
高橋 データ活用を考えるうえで、AI活用も重要なテーマとなります。その点も含めて、今後の両社の挑戦をお聞かせください。
小俣 営業のなかには、データを見に行くことすら面倒くさいと感じている人もいるでしょう。今後はダッシュボードのデータをチャットで自動的に送ったり、AIで分析したりしてくれるツールの活用にチャレンジしていくつもりです。
「前日と何が変わったの?」といった分析を自動で提示してくれる機能は、データを「貯める」フェーズから「活用する」フェーズへの重要なステップだと考えています。

吉岡 これまでブラックボックス化されていた営業の商談は、文字起こしや採点など、AIの進化により可視化が進んでいます。今、弊社が取り組んでいるのは、お客様からの質問をデータ化することです。
たとえば商談が1日に20件、月に約400件あるとして、1商談につき10件の質問が生じた場合、月に4,000件もの質問が発生します。これらの質問データをすべてAIに読み込ませて、上位100位の質問を順位付けしたり、機能要望および理由をデータとして抽出するのです。
これにより、営業は「お客様から何を聞かれるか」を事前に把握でき、逆に「どうやってお客様の本音を引き出すか」といった対人価値に磨きをかけることに注力できます。今後は、AIによるデータの活用と、営業の力量の底上げ、この両面から取り組んでいくべきだと考えています。

高橋 AIやテクノロジーが進化するなかで、その前段として、データや行動をしっかりと貯めていくこと、そしてそれを可視化していくことの重要性を、改めて強く感じました。本日はありがとうございました。
