Sansanは、ビジネスデータベース「Sansan」の「Sansan MCPサーバー」(※1)が住友商事でトライアル導入されたことを発表した。
MCP(Model Context Protocol)は、生成AIと外部システムを接続することで、システム内のデータをAIがリアルタイムに参照・活用できるようにするための標準規格。Sansanは、MCPサーバーを通じて、Sansan上に蓄積された名刺や商談履歴、企業情報などのビジネスデータを、Microsoft 365 Copilotなどの生成AIサービス上で活用できる環境を提供している。
※1 Sansan「AI活用を加速させる新ソリューション『Sansan AIエージェント』『Sansan MCPサーバー』を提供」(2025年11月21日発表)

導入の背景
住友商事は、総合商社としてグローバルにさまざまな事業を展開している。中期経営計画2026(※2)では、データに基づく意思決定の迅速化と高度化を重要施策のひとつとして位置づけている。とくにAI活用においては、全社導入した Microsoft 365 Copilotを活用し、2025年10月には月間アクティブユーザー率90%、年間約12億円のコスト削減効果を実現するなど、社員が日常的にAIを活用する環境と文化を構築している。
直近では、Microsoft Copilot Studioを活用し、Microsoft 365以外の社内システムに蓄積されたデータとの連携も検討していた。そこで、取引先との接点情報や活動履歴といった自社独自のデータ、さらに100万件以上の企業情報が搭載されたビジネスデータベースSansanの情報を全社で活用することで、AIによるデータ活用をより一層加速できると考え、Microsoft 365 Copilotとシームレスに連携できるSansan MCPサーバーのトライアル導入に至った。
※2 住友商事「新中期経営計画2026」(2024年5月3日発表)
期待する効果
本トライアル導入により、住友商事はSansanに蓄積された名刺情報や商談履歴などの接点情報を Microsoft 365 Copilotと連携した。これにより、Sansan上の接点情報とメールや会議などの Microsoft 365上の情報を組み合わせ、営業活動や社内外のコミュニケーションにおけるさまざまな業務で、情報活用が可能になる。
Microsoft 365 CopilotとSansan MCPサーバー活用による効果例
- 会議の準備:参加者同士の関係性や過去の接点を自動で抽出し、円滑な会議をサポートする。
- 提案資料作成:商談相手の企業情報や過去のやりとりを参照し、背景情報を踏まえた提案内容を提示する。
- メール作成:相手企業の特徴や取引履歴を踏まえた返信文案を生成し、スピーディーで的確な対応を行う。
住友商事 IT企画推進部 主任/Microsoft MVP for M365 Copilot 浅田和明氏からのコメント
当社は、2023年5月より生成AI CoE組織「SC-Ai Hub(スカイハブ)」を組成し生成AIの実装を推進してきました。2024年4月からはMicrosoft 365 Copilotをグローバル全社導入し、社員一人ひとりが日常的に生成AIを活用できる環境づくりを進めてきました。今回の「Sansan MCPサーバー」のトライアル導入を通じて、名刺情報や商談履歴などのビジネスデータをより簡単、柔軟に、かつさまざまな社内データと組み合わせた高度かつ実践的なデータ活用ができるようになることを期待しています。
