部門間の連携を阻むのは「活動のミスマッチ」
「受注数を最大化できる」という点で営業とマーケティングは連携の重要性が語られるが、そうしたメリットがあるのにもかかわらず、セゾン情報システムズが語った「営業・マーケティング部門間の連携に苦戦した」エピソードのように、双方が連携不足になってしまうケースも少なくない。その原因には「営業とマーケティングそれぞれの活動がマッチしていない」点が指摘された。
たとえば、ハイタッチ営業においては提案先である「顧客」が固定されるが、提案する「商材」はその時々で変化する。一方で、マーケティングは「面」で訴求するため、提案する「顧客」が変化する一方で、訴求する「商材」は固定される。これがセールス・マーケティングの連携を妨げる要因になっている、と高山氏は説明した。
こうした要因を踏まえて、セゾン情報システムズはターゲット先の企業・業種を一致させる方針を打ち出すほか、「新製品」「既存の製品」「既存のお客様」「新規のお客様」の4象限に分けたマッチングを実施しているという。エリアを参照しながら、顧客ごとにマッチングを実施し、企業情報に基づいて連携に着手することで「マーケティング部門が獲得した見込み客をそのまま営業に渡しても、対応してもらえない」という課題を解決できたという。
その後、「メールマガジンを配信するものの、開封率が奮わない」課題に対する対策に関しても言及された。高山氏は「反応がよいお客様の存在を見逃さず、すぐに営業と連携できるような体制で取り組んでいます」と語り、商談ごとにセグメントを狭めていき、少量のグループでメール配信をすることによって開封率を高めているという。
高山氏は、ニューノーマル時代に営業力強化を実現するうえで目を向けるべき3つのポイントとして「CRM・SFA・MAを活用して成果につなげるうえで、『法人データベース』の活用が必要不可欠になってきていること」「営業・マーケティング双方の連携においても、企業属性情報が必須であること」「何から手をつけたらよいかわからない人は、まずは社内にどのようなデータがあるのかを確認し、課題解決の糸口となるデータを見つけること」を挙げ、登壇セッションを総括した。