「育成と成果のバランス」はどうする? 商談同席の難しさ
加藤(ブイキューブ) 営業の商談には、お客様のニーズや競合の動き、提案に対する反応など、貴重な情報が数多く含まれています。しかし、実際にその情報を100%入力できている営業は30%程度というデータもあります。永井さんは現在、営業組織のマネジメントをされていますが、どのような課題を感じていますか。

2014年、横浜市立大学経済学部卒業。2019年に株式会社DONUTSにてバックオフィスソリューション「ジョブカン」のマーケティング・営業Mgrを経験したのち、2021年に株式会社ユーザベース入社。営業DXソリューション「FORCAS」のカスタマーサクセスMgrに従事。在籍中は50社以上の顧客の法人営業改革を支援。現職では、営業組織の戦略構築とセールスイネーブルメントを管掌。
永井(ZVC JAPAN) 課題のひとつは、新しく入社するメンバーの「早期立ち上げ」ですね。マネージャーとして、メンバーが1日でも早く、より良い成果を挙げられるように工夫をしています。具体的には商談同席やトレーニングの提供など、さまざまなアプローチを試しています。
加藤 プレイングマネージャーとして営業マネジメントを行っていた時期が長かったのですが、同じような悩みを抱えていました。1日6~7件の商談をこなして自分の数字をつくり、メンバーの育成もしなければならないというマネージャーは多いのではないかと思います。
永井 そうですね。プレイングマネージャーはとくに商談同席を行うことが多いはずですが、同席にはふたつの目的があります。ひとつは育成。メンバーがより営業として成長するためのフィードバックを行います。もうひとつは、目の前のお客様への提案を適確にクロージングすること。このふたつのミッションを一度の同席で達成するのは非常に難しいです。
加藤 育成と成果のバランス、ですよね。
永井 フィードバックのために黙って見ているべきか、重要なお客様との商談だからこそ口を出すべきか。この判断が常に求められます。またすべての商談には同席できないため、CRMへのデータ入力や議事録の共有を促す必要がありますが、それがお客様と向き合う時間を減らしてしまうというジレンマもあります。

大学卒業後、日本マイクロソフト株式会社に入社。テクニカルアカウントマネージャーとして製造業のお客様のIT計画に沿ったサポートを行った後、医療製薬事業本部の営業としてヘルスケア業界のお客様の営業活動に従事。 2021年にZoomに入社し、Zoomを通したお客様のWork Happyを実現することをミッションに活動中。
会話データの活用を後押しするZoom Revenue Accelerator
加藤 なるほど。商談同席の配分、フィードバックの質、情報共有の効率化など、さまざまな課題が複雑に絡み合っているわけですね。これらの問題を解決するために、テクノロジーの活用は欠かせないと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
永井 おっしゃるとおりです。実は、そういった課題に対するソリューションとして、私たちが提供しているのがZoom Revenue Acceleratorです。これは、Zoom MeetingsやZoom Phoneなどと合わせて活用いただくAIツールです。端的に言うと、これまでデータが分散していた商談、お電話の会話内容がひとつのプラットフォームに集約されるかたちで蓄積され、貴重な資産として活用できるようになります。

永井 全文の文字起こしや会議の要約のみならず、次回にとるべきアクションまでをまとめてくれるので、営業担当の負荷を下げてくれます。また、商談の中でどのようなキーワードが出てきているのか、会話はどう進んでいったかなど、顧客の理解を深めるような分析も自動的にAIが行っていきます。

永井 さらに、「商談の採点項目」をカスタムでつくることができ、100点満点中何点だったのかを評価してくれます。

加藤 商談を行うだけですぐにAIが分析・要約を行ってくれるわけですね。先ほど、CRM入力の負担に関するお話もありましたが、そのあたりもデータ連携が可能なのでしょうか。
永井 はい、CRMとの連携も重要な特徴です。議事録とCRMの二重入力や転記作業が発生することはありません。オンラインミーティングや通話の退出・終了後、なにもせずとも議事録が生成され、その内容がCRMに自動連携されます。