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SalesZine Day 2025 Summer

2025年7月24日(木)13:00~18:20

キーエンス、プルデンシャルのトップセールスが解説! 営業の「型」実践講座

営業は「やり方」ではなく「あり方」だ キーエンス・プルデンシャルの元トップセールスが語る“型”の本質

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「売れ続ける営業になるためには、やり方より“あり方”が大切なのです」。こう語るのは、キーエンスとプルデンシャルという異なる業界でトップの実績を残した田中大貴氏だ。両社には、売れる営業の「型」が存在していた。しかし、田中氏が“売れ続ける”営業になれたのは、どんな企業に行っても変わらない「営業の原理原則」を体得したからだという。プルデンシャルでの失敗も経て見つけた、結果を出し続ける営業の本質とは何か。成果を安定的に上げたい営業パーソン、型を組織に浸透させたいマネージャー層へのヒントを聞いた。

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キーエンスとプルデンシャルで「型」を学んだ

──まず、田中さんの営業キャリアについて教えていただけますか。

学生時代は教育学を学んでおり、保育士や幼稚園教諭の資格も取得していました。ただ、周囲に学生起業家が多くいたこともあり、「いつか起業したいな」と漠然と思っていました。

「どんな能力を身につけたら起業に役立つだろう?」と考えたときに、営業だと思ったんです。そこで、営業力を短期間で身につけられる企業を就職活動で探していたところ、キーエンスに出会いました。

Sales Navi 代表取締役 田中大貴氏

2008年同志社大学文学部を卒業後、キーエンス入社。連続で目標を達成したのち、2010年にプルデンシャル生命保険にスカウトされ入社。11期連続社長杯入賞、2017年には当時全国最年少でエグゼクティブ・ライフプランナー(部長)に就任する。2021年に「営業の道しるべを創る」というビジョンを掲げるSales Naviを創業し、企業の営業の仕組みづくりの支援を行う

キーエンスで営業の基礎を身につけ、連続で目標を達成できるようになったころ、プルデンシャル生命保険からお声がけいただきました。

プルデンシャルが導入しているフルコミッション制(=成果に応じて報酬が支払われる制度)という個人事業主に近い働き方は、いつか起業するうえで経験したいと考えていました。また、生命保険という「もっとも難しい」と言われる商材を扱い、営業の猛者たちが集まる環境に身を置くことに、国内リーグから大リーグに挑戦するような感覚を覚え、入社を決めました。

その後、保険業界のさまざまなタイトルを獲得するまでに至り、気づけばプルデンシャルには11年ほど勤めていました。

──その後、企業の営業に関する仕組みづくりを支援するSales Naviを創業され、今年『売れる組織 売れる営業』という書籍を出されています。営業の現場から、営業を支援する立場に回った背景は何だったのでしょうか。

キーエンスとプルデンシャルは、BtoB、BtoCの違いもあれば、商材もカルチャーもまったく異なりますが、それぞれ営業の「型」が存在しており、型どおりに実践することで誰でも一定の成果を上げられる仕組みがありました。

「営業の型がある2社で営業力を磨き、教育学を学んできた自分にしかできないことをしたい」。そんな思いから2021年に立ち上げたのがSales Naviという会社です。

起業してさまざまな企業の営業教育に携わる中で、ナレッジも蓄積されてきました。そこで、事業を通じてだけでなく書籍というかたちでまとめたら、より多くの方に認知していただけるのではないかと考え、書籍の執筆にも取り組みました。そうして2025年の4月に出版されたのが、『売れる組織 売れる営業』です。

売れる組織 売れる営業』(田中大貴 著、実業之日本社)

──「型」の重要性に気づいたのはいつでしたか?

型の重要性を感じるようになったのは、プルデンシャルに入社してからです。

プルデンシャルには「Back to the Basics」(基礎や型に立ち返る)という考え方があり、Basicsとは、プルデンシャルが長年かけて築き上げてきた保険営業の教科書である「ブルーブック」を指します。新人は初期教育の段階でブルーブックを音読し記憶するように教えられるのですが、驚いたのは、経験豊富な先輩たちでさえも、自主的にブルーブックを読んでいる姿を見かけたことです。理由を聞くと、「スランプに陥ったり困ったりしたときほど、基本を見返すことが重要だから」と。

これは私にとってかなり衝撃的でした。私自身も営業デビューしてから、思うようにいかないことがあるとブルーブックを手にとって読むようになりました。初期教育で一度学んだことではあっても、改めて読むと感じ方や着目する点が変わり、新たな気づきがあるんです。

そこでふと振り返ると「キーエンスにも型があったな」と気づきました。たとえば、キーエンスでは製品ごとにスクリプトが細かく決められており、新人は「ベストデモのロープレ大会(製品を最も魅力的に伝えるためのデモンストレーション)」を通じて正確で魅力的な製品デモを習得します。プルデンシャルでも、顧客属性ごとのスクリプトが用意され、ロープレ試験に合格して初めて営業デビューできます。

つまり、商材や社風はまったく異なる2社でしたが、営業の考え方ややり方には共通点があったのです。

──2社を経験したからこそ、型の重要性に気づいたのですね。

ひとつの会社にいるだけでは、その営業教育が優れているか、どのような型があるかは意外と気づきません。キーエンスでは新卒だったのもあり「これが普通」と思っていました。

また起業してからは、多くの企業には「型」となるものが存在しない実態を目の当たりにしました。しかし、組織が型をつくったり、浸透させたりする方法を体系的に学べる環境もほとんどないのが実情です。結果として営業のやり方が属人化し、成果のばらつきが大きいという悩みを、皆さん共通して抱えています。

けれども、私自身の経験からお伝えしたいのは「営業が成果をあげるための原理原則はどこに行ってもまったく同じ」ということです。その原理原則さえ習得し、実践すれば、誰でも一定の成果が上がると言い切れます。

次のページ
営業の「やり方」ではなく「あり方」を変えた

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮地真里衣(セールスジンヘンシュウブ ミヤジマリイ)

新卒で営業職を経験したのち、編集プロダクションに転職し雑誌やウェブ広告の編集業務に携わる。2022年11月翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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