ツールの選定基準は?
SFA/CRMの導入の最後のポイントは「ツールの理解」。吉原氏はSFA/CRMの導入・活用を推進する立場として「ツールの理解は非常に大事」と強調した。
そして、そのために必要なのがユーザーコミュニティだと言う。吉原氏自身も、ウイングアーク1stのユーザーコミュニティ「nest」や、kintone Cafeの千葉支部の運営メンバーとして活動している。
「ユーザーコミュニティではツールの使い方や機能、活用事例などをインプットできることはもちろん、参加者同士で泥臭い苦労話を語り合うことも多い。具体的にどんなデータでどう分析をしているのかといった、生の情報交換ができることが魅力です」(吉原氏)
ユーザーコミュニティでの会話から、別のツールの活用のヒントを得られることもある。「ユーザーコミュニティが熱いかどうかは、ITツールを選ぶ際の基準のひとつ」だと提言した。
最後に、同社におけるAI活用について触れた吉原氏。AIを使うこと自体が目的にならないように気を付けつつ、「無駄な時間の削減」と「新規受注率の向上」に役立てようと、システムを構築中だという。

たとえば、営業が社用車を使用する場合、kintoneにガソリン代を登録する必要があるが、日付や料金の入力が手間になっている。そこで、レシートの写真を撮影するとそこからAIが情報を抽出して反映させてくれるしくみを作っているという。
また、現在は社内の会議にLINE WORKS AiNoteを導入している。これは音声認識によってAIが議事録をまとめてくれる便利なツールだ。「今後はこのAiNoteを営業の商談やロールプレイングにも導入して共有することで、セールスイネーブルメントに活用したい」と語った。
吉原氏は、「SFA/CRMの導入には、『データ活用前提』かつ『しかけとしくみ』が重要であること。また、ツールを深く理解するためにユーザーコミュニティでの情報収集が大事であることをお伝えしました。社内の営業の方々も、実績が上がれば働くことが楽しくなり、結果的に『笑顔創造』につながると思います」と語り、セッションを締めくくった。