ツールを使いこなし、営業成果を挙げるプロユーザーを60%に
徳田 今後のチャレンジについてうかがえますか。
行平 ふたつあります。ひとつは「プロユーザー」を増やすこと。これまでのKPIは「アクティブユーザー率」でしたが、これはほとんど100%に近づいてきました。プロユーザーの定義ですが、ツールを使いこなしているだけでなく、その人の営業成果が変わったかどうかまでを計測しています。このプロユーザーの割合を中期経営計画期間である、2028年3月までに60%に引き上げていきたいと考えています。
もうひとつはAI活用ですね。NBAふくめ、まだルールベースのものが大半なので、AIを使った予測高度化や効率化にもさらに取り組んでいきたいです。そして、営業店にとって必須のツールであり、営業バディと位置付けられるように成長させたいです。
上野 データソリューション部門からは、有益かつ多様な情報をスピーディーに営業現場に届けられる環境をつくっていきたいと考えています。そのためには、データ・情報を収集する組織として能力の、さらなる進化が必要だと感じます。
これまでに、データレイクなどを構築しながら構造化データはかなり集まりました。これからは、AI活用が進んでいく中で一層重要になる社内資料のような、非構造化データも徹底的に集め、AIに食わせて、SFAなどを通じて現場に新しい情報を届けていくことに取り組んでいきたいです。

徳田 チャレンジも一歩先を見据えていらっしゃいますね。こういった取り組みが増えれば増えるほど日本企業も元気になると思います。最後におふたりから同じように奮闘される皆さんにメッセージやアドバイスをいただけますか。
上野 われわれも試行錯誤し続けています。決してきれいな道のりではないのですが、どうせなら早く失敗しようという気持ちでやっています(笑)。同じく苦労されている皆さんと苦労話を共有する機会もありますが、そのときはいつも、お互いに勇気づけられたり、その失敗からの気づきを見つけられたりもします。苦労は絶えませんが、ぜひ一緒に頑張っていきましょうとお伝えしたいです。
行平 上野さんと同じ気持ちです。本当にたくさんの失敗をしてきましたし、そのうえで改善を行っていて、まだまだ良いものとは言い切れない部分もありますが、確実に進化はできています。足元の失敗を気にしすぎずチャレンジすることが大切だと感じています。
徳田 ありがとうございました!
【インタビュー後記】ふくおかフィナンシャルグループさんを突撃して
SFAやCDPの構築等、法人セールスの在り方が改めて変革のタイミングを迎えている地方銀行において、まさにモデルになるような有意義なお話でした。
データドリブンセールスは単にシステム構築の側面だけではないという姿勢がはっきりされており、「①営業ノウハウをデジタルアドバイスする仕組み」「②成果が出ているかまでトレースするPDCAのサイクル構築」「③次世代のセールスの担うデータ活用人材の確保と育成」「④形骸化しないための文化作り」など、多面的にイネーブルメントを定着させるノウハウは非常に勉強させていただくポイントが多かったと思います。ありがとうございました!
(インタビュアー:NTTドコモビジネス株式会社 グロースマーケティング推進室 室長 徳田泰幸)