東京大学松尾研究室発のAIスタートアップであるACESは、提供するAI議事録ツール「ACES Meet」において、スマートフォンアプリiOS版を正式にリリースした(Android版は順次対応予定)。これにより、従来のオンライン会議に加えて、対面での会議や商談でもワンタップで録音・議事録作成が可能となる。

背景と目的

近年、オンライン会議や商談ツールの普及により、企業活動のデジタル化が進んでいる。オンライン環境では、録画や自動議事録生成などの機能が整備され、商談・会議内容を効率的に記録・共有する仕組みが一般化しつつある。
一方で、対面での会議や商談は、依然としてさまざまな企業にとって重要なコミュニケーション手段である。とくに、重要な提案や顧客との信頼関係の構築、経営層同士のディスカッションなど、対面だからこそ成立するやりとりも存在する。
しかし、対面会議や商談では、オンラインと異なり録音・記録の仕組みが整備されていないケースがあり、「内容が記録に残らない」「議事録作成が属人的」「情報共有が遅れる」といった課題が生じている。その結果、社内でのナレッジ共有や後続業務への反映に時間がかかり、意思決定の遅延や商談機会の損失につながることも少なくない。
こうした課題を解決するため、ACESは「対面会議・商談を含むあらゆる場面をシームレスに記録・管理できる体験」を実現すべく、ACES Meetのスマートフォンアプリを開発した。
機能概要
今回リリースされたスマートフォンアプリにより、外出先や社外での打ち合わせ・営業商談などでも、より容易かつ安全に録音を開始できるようになった。
アプリで録音した音声は自動的にサーバーへ送信され、AIによる文字起こし・要約が実行される。また、録音データは端末外へのダウンロードやAirDrop共有ができない設計となっており、情報漏洩リスクを防止する。
主な特徴
- ワンタップで録音開始:対面の会議や商談をスマートフォンから録音。録音データは自動でサーバーへ送信される。
- セキュアな録音データ管理:音声データはスマートフォン本体に一時保存(30日後に自動削除)。外部共有不可設計により、社内管理できる。
- 連続録音に対応:録音開始から3時間が経過すると、その時点までの音声が自動でサーバーへ送信される。
- 直感的なUI:録音開始・停止、再生、設定確認など、シンプルな設計がなされている。