受注金額1.5倍へ! マーケとBDRの“リアルタイム”な連携
──BDRとマーケティングの連携で、工夫されている点はありますか?
ひとつがSFAの活用です。ひとくちに「アパレル」と言っても、ブランドイメージを損なわないことを優先する百貨店の店舗と、値引きによる集客も行うショッピングセンターの店舗では在庫の持ち方がまったく異なりますよね。
そこで、フルカイテンでは小売業界をおおよそ30に分割し、「アパレル」だけでも高単価、中単価、低単価、ECなどさらに細かい粒度で分類。顧客企業の商品価格帯や業界細分類などの詳細情報をSFAに登録しています。
マーケティング担当者はSFAの商談記録やSlackチャンネルに流れてくるBDRのトーク内容を確認し、商談獲得や成約につながった切り口を確認して、最適なコンテンツやトークスクリプトを開発する。同時にBDR担当者も、SFAを見て、どの顧客にどのコンテンツやトークスクリプトが適しているか判断しています。

マーケティングがBDRの現場を理解せずにコンテンツをつくると、的はずれになる可能性があり、BDRもマーケティングの情報がなければ、ただ「商談させてください」と訴えるだけの貧弱なアプローチしかできません。そうした事態を防ぐためにも、リアルタイムの情報共有と相互理解を重視しています。
しかし、“他部署の活動を見る”という意識を醸成するのは非常に難しいですね。マーケティングの人事評価項目に“受注”を組み込んだり、1on1で「セミナーの良いネタがないんです」「それなら、商談情報を見てみるのはどうだろう」と会話したり、地道に取り組んでいます。
──改革による成果を教えてください。
2024年10月から改革を始め、2025年1月から具体的な成果が現れました。まず、全体の受注金額が前四半期比で150%(1.5倍)に伸長しました。
内訳として、既存顧客からの受注であるエクスパンションの受注金額が大幅に増加し、新規のARPA(平均顧客単価)もこれまでの平均を大きく超える結果になりました。ターゲットを絞り込み、アプローチを変えた今回の改革により、全体の成長につながりました。