トップライン成長と信頼度向上に向けた戦略的転換
──エンタープライズ推進室立ち上げの背景をお聞かせいただけますか?
中田 レバレジーズには50以上のサービスが存在し、新規事業も次々と生まれています。その結果、各事業部のメンバーからお客様へ重複してアプローチしてしまうこともありました。しかし今後はお客様の課題解決に向けて、事業横断で複数のサービスを連携させながら提供していく必要があります。その旗印として、エンタープライズ推進室が立ち上がったんです。
──以前からエンタープライズ企業攻略の必要性を感じていたそうですね。
中田 ええ。私自身の考えとしても、事業成長にはトップラインを伸ばすことが不可欠であり、そのためにはエンタープライズ顧客へのアプローチが必要だと感じていました。
また、レバレジーズは認知度が向上しているものの、ベンチャー企業であることに変わりはありません。大手企業との関係構築は、レバレジーズの信頼度向上にも直結します。こうした意識が、推進室設立の理由のひとつとなりました。
──吉村さんは、営業現場でこの動きをどう感じていましたか?
吉村 現場の活動としても、エンタープライズ推進室が主催する商材説明会に招待してもらうなど、組織横断的な連携が進んでいます。レバレジーズ全社として、次のフェーズに進んでいる感覚がありましたね。
若手組織が越える「エンタープライズ企業攻略の壁」
──エンタープライズ推進室の設立前、レバレジーズの営業スタイルにはどのような課題があったのでしょうか。
中田 弊社が提供する人材サービスは、契約段階では費用が発生しないモデルです。そのため、営業活動においては「まずは試してみませんか」といった、導入ハードルを下げることに終始したアプローチになりがちでした。この状況から脱却し、「当社のサービスにはこれだけの価値があり、この価格で提供します」と自信を持って言える営業スタイルを確立するには、転換点となる取り組みが必要だと感じていました。
また、弊社の営業組織は平均年齢が26~27歳と若いメンバーが中心です。そのため、エンタープライズ企業の部長層などに対して自信を持って提案することに、組織全体として難しさを感じていました。この共通認識を打ち破ることが、最初の壁でした。
──吉村さんは現場で「エンタープライズ企業攻略の壁」を感じることはありましたか?
吉村 そうですね。やはりエンタープライズ企業との取引では意思決定者と直接話すことが難しく、初回商談で契約を獲得するのは困難です。SMB企業を主軸としつつ、エンタープライズ企業にもアプローチする現在の営業スタイルでは、エンタープライズ企業への注力が手薄になりがちで、それが一層の難しさを生んでいます。

