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SalesZine Day 2026 Winter

2026年1月27日(火)13時~18時40分

Sales Tech ホットトピックス

AIでつくった提案書が与える“ノイズ” 営業はどう向き合うか|2026年の買い手と売り手を問う・前編

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 生成AIが革新的な進化を続ける中、2026年、買い手(顧客)と売り手(営業)はどのような変化を迫られるのか。日本の営業領域をリードする4者が一堂に会し、コンサルティング、営業支援、テクノロジーベンダー、事業会社それぞれの視点から、2026年に起こり得る変化と、勝敗をわける具体的なアクションについて議論しました。前編となる本稿は、「提案書」という具体的なユースケースを軸に、AI活用による買い手・売り手の変化についてうかがいました。

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2026年、日本企業はAIをまだ「買わない」

──2026年は生成AIの活用がますます進んでいくと予想されます。具体的に、今年は買い手と売り手にどのような変化が起こるでのしょうか。

千葉(EY) まずは買い手についてですが、企業単位では、まだAIを「買わない」と思うんですよ。AIで変わらないのではなく、買わない。積極的にさまざまなAIツールを試してはいるけれど、どれもPoC(概念実証)で止まってしまう企業が多いと予想しています。

増岡(HubSpot) テクノロジーの進化は近年とくに加速していますし、日本でもAIにトライする企業がもっと増えると良いですよね。

 現状、日本のAI活用率はグローバルで見ると圧倒的に低い。リスクを回避しようとする慎重さは日本企業の良さでもありますが、そこにもどかしさを感じるのも事実です。

千葉(EY) まさにその「リスク」への向き合い方が分かれ道になります。2026年は、シャドーAI(※)によるリスクを受ける企業が増えるだろうと思っています。リスクを把握している企業、把握しながらそのままにしてしまう企業、そして対策できる企業に分かれるでしょう。

 全社的な方針としてAI使用を禁止しても、現場は絶対にこっそり使います。そうしたリスクを回避するなら、むしろ企業が管理する環境下で、フルでAIを使わせたほうが良い。これができるのは、ずばり資金が潤沢なエンタープライズ企業です。

 しかし、エンタープライズ企業が本格的にAIを導入しようとすれば、アーキテクチャの構築など課題が多い。そうした背景から、企業単位で見たとき、買い手の環境は2026年も劇的には変わらないのではないかと見ています。

EY ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 カスタマーエクスペリエンス・トランスフォーメーション パートナー 千葉 友範氏

大学院在籍中よりソフトウェアベンチャー立ち上げに参画後、大手総合系コンサルティングファーム勤務、IoTなどを手掛けるIT企業役員を経て現職。現在は専修大学大学院にて客員教授も務める。 EYストラテジー・アンド・コンサルティング のカスタマーエクスペリエンス・トランスフォーメーションにて、ビジネス成長のドライバーとなる戦略策定(サービスデザイン)から顧客接点改革(マーケティング、営業、コンタクトセンター、カスタマーサクセスなど)の実現までを総合的に支援するチームのパートナーを務める。直近では、CROアジェンダのオファリングリーダーを務める。

※シャドーAI:企業や部門の承認・管理なしに、従業員が個人の判断で業務にAIツールを利用すること

選定から意思決定まで「With AI」が加速

──シャドーAIの話もありましたが、一方で、個人レベルでは生成AIの活用が加速していくかと思います。

茂野(ビズリーチ) 今井さんは営業支援を行う中で、買い手の変化を感じることはありますか。たとえば「情報武装が加速した」など。

今井(セレブリックス) その点は劇的に変わっていますね。お客様からのお問い合わせのうち、体感で約3割は「AIにレコメンドされたので問い合わせました」とおっしゃいます。個人レベルでは、購買プロセスの中にAIが組み込まれているのを感じます。

 私自身も購買の意思決定を行う“買い手”ですが、数千万規模の決裁を下すのは、本当にストレスなんですよ。決断に勇気がいりますから。そこで、AIに相談して「第三者視点でも適切な判断だ」という裏付けや納得感を得ることは、自分自身の安心材料にも、会社で稟議をとおす際の材料にもなります。

茂野(ビズリーチ) そもそもAIは、情報の検索や比較が得意ですから、売り手よりも買い手のほうが使いこなしやすいツールだと思っています。だからこそ売り手は、買い手がAIを使ってどのように購買プロセスを進めるのかを知るためにも、AIを徹底的に使い、その仕組みを体感しておく必要がありますね。

株式会社ビズリーチ 新規事業責任者 茂野 明彦氏

2012年、株式会社セールスフォース・ドットコム(現:株式会社セールスフォース・ジャパン)に⼊社し、グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部⾨を⽴ち上げる。2016年、株式会社ビズリーチ⼊社。インサイドセールス部⾨の⽴ち上げのほか、ビジネスマーケティング部部⻑、HRMOS事業のインサイドセールス部部長を歴任。現在は、新規事業案の責任者として、プロジェクトを推進。著書に『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』(翔泳社)

千葉(EY) そのとおりですね。買い手が多くの情報を手にしている今、営業に求められる役割は、情報提供から「社内調整の支援」へとシフトしています。

 複雑な購買プロセスに関わる複数の意思決定者の間に入り、ボトルネックを解消して最短距離で購買を進める。すなわち「バイヤーイネーブルメント」を実現するには、営業が「自社の製品しか知らない」状態はあり得ません。

今井(セレブリックス) まさに。営業活動を行う中で、顧客のトップが掲げるアジェンダと、現場の部門長が抱える課題が異なることはよくあります。さらに言えば、お互いにその「ズレ」を認識していないことすらある。営業はそれらを“面”でとらえて調整していくわけですが、これはAIが介在できない“アート”な領域と言えますね。

次のページ
買い手は「AIでつくった提案書」をどう見るか?

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この記事の著者

SalesZine編集部 高橋愛里(セールスジンヘンシュウブ タカハシアイリ)

1992年生まれ。新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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SalesZine(セールスジン)
https://saleszine.jp/article/detail/7916 2026/01/29 07:00

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