営業が成長できる目標管理、フィードバックの文化
獅々堀(SalesZine編集部) 特別セッション「How to be a Challenger」では、SalesZine&Beyondの各セッションに登壇いただいたスピーカーの皆さまをお招きし、キャリアと成長をテーマにお話をうかがっていきます。ひとつめのテーマは「私のチームの○○がすごい」。所属する企業やチームの「すごい」ポイントを教えてください。
安田(セールスフォース・ドットコム) 当社には「信頼」「カスタマーサクセス」「イノベーション」「平等」という4つのコアバリューがありまして、これを大切にするという基本がグローバルで統一されています。
また「行動が伴わない宣言はダメ」という考え方も非常に強い会社です。「V2MOM」という目標管理の方法で、全社員が目標に対して具体的にどう行動し、どのような数値でその成果を判断するのか、自ら管理しています。そして、それが評価にもつながる仕組みを持っているんです。コアバリューや目標管理の仕組みを軸に、会社全体で一体感を持ち、ひとつの哲学に基づいて動くことができているのは、当社の良いところだと思っています。
西尾(ユームテクノロジージャパン) 「会社」と「人」それぞれの観点でお伝えします。まず会社としては、SaaS業界でも共通言語となっている「T2D3」に挑戦しており、達成に向かっているというところ。ユニコーン企業になるような「すごい成長」を実現している企業です。そして、人については、テクノロジーを活用し、互いにフィードバックを行う風土があるところが良い点だと考えています。たとえば、録画したZoomの商談をお互いに見て、良いポイントはもちろん、改善点にも言及し合います。テクノロジーを活用して、全員で組織を良くしていこうという文化が醸成されています。
組織改善のための「スクラム」「尊敬」
徳井(SATORI) 「スクラム」という仕組みを取り入れているところです。本来ソフトウェア開発手法のひとつなのですが、当社では組織運営のフレームワークとして活用しています。ひとりの強いリーダーが組織を引っ張っていくのではなく、1人ひとりが自己組織化することで、誰もがプロジェクトの推進者となれる仕組みです。
方法はシンプルで、チームごとに「スプリント」というPDCAサイクルの期間を決めて、期間内にトライするタスクを全員で洗い出し、タスクにかかる工数や完了・納品基準を定めてタスクに取り組んでいきます。日本企業だと「上長承認がないと動けない」「これはAさんのタスクだから」というシーンも多いと思いますが、スクラム運営で大事なのは全員でタスクに取り組むこと。毎朝、「デイリースクラム」という報告・相談会を実施しながら、完了したタスクの成果共有と振り返りをスプリントごとに繰り返し、その振り返りを踏まえて次のスプリントに入っていきます。スクラム運営の導入で、組織の問題を高速に解決することができているところが、いまのSATORIの強いところだと考えています。
村尾(シャノン) 難易度の高い取り組みである、「分業」がうまく回っているところです。うまく回すためには各チームの専門性を高めることが何より重要ですが、専門性が高まるほど、隣のチームの仕事が難しすぎてがわからなくなってしまう問題と背中合わせになってきます。
自分の専門性を高めつつも、難しいことをこなす隣のチームへの尊敬や認める気持ちを忘れない文化が当社にはあります。小さなことですが、社内の連携をオープンなチャットで行い、双方の情報をきちんと共有し、勉強会なども実施しています。リモート下では、雑談なども全員にオープンなチャットで実施できるようになったことが良い点だと思っており、引き続きうまく活用していきたいです。