「継続率」はNG? 営業との連携で注意すべき3つのポイント
CSがその真価を発揮し、売上に直結する組織となるため、営業との連携で気をつけるべきポイントは3つあります。
1. お金の話は営業に任せる
CSは「顧客の製品活用を促進する組織」であり、最後の契約交渉やクロージングは営業の役割です。CSが無理に営業活動に踏み込み、お金の話をすると、顧客の関係構築やアダプション推進の妨げになることがあります。
CSが担うべきは、質の高いCSQLの創出です。
- 「どのような利用状態にある顧客がアップセル/クロスセルにつながりやすいか」を定義する
- アップセル/クロスセルにつながりやすい状態に到達する顧客を増やす
- ゴール設定や課題発掘を行い、営業が提案しやすい案件に育てる
ここまでがCSの仕事であり、最終的な契約は営業に託す。このリレーがうまく回れば、営業はCS活動の成果を明確に実感できるようになります。

2. 勝ちパターンの情報を営業に返す
どの顧客が将来的に大きな案件に育ちやすいか、営業段階でどのようなエンゲージメントをしておくとアダプションが進むか──。こうした知見はCSが持つべき資産です。
アップセル/クロスセルにつながりやすい製品の利用状態を定義すれば、その状態に移行しやすい顧客属性や条件も見えてきます。これを営業にフィードバックすることで、成約前の営業段階から、顧客を将来的にアップセル/クロスセルへ導くための一手を打てるようになります。結果的に、CSはアップセル/クロスセルにつながりやすい顧客を容易に増やすことが可能となるでしょう。
3. 金額を共通言語にする
営業組織は常に「金額」で会話しています。一方、CSは「継続率2%向上」「CSQLを50件創出」といった金額以外の指標を使いがちです。これでは営業との対話がかみ合いません。
営業とのコミュニケーションでは、CS活動の成果も「この活動によって○○万円の追加NRRを創出した」「解約リスク排除の活動によって○○万円の損失を防いだ」と、常に金額換算して伝えるように心がけてください。金額を共通言語にすることで、営業とCSは初めて同じ土俵で会話できるようになります。