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SalesZine & Beyond 2025

2025年10月23日(木)12:30~17:45

訪問しなくても売れる!菊原氏が営業スタッフに贈るアドバイス

一流営業のクレーム対応、最初の一手とは

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 営業スタッフにとってクレームほど厄介なものはない。時間と労力がかかるうえに精神的ダメージも大きい。モチベーションもガタ落ちする。これまで、好調な営業スタッフがクレーム対応を間違い転落していくケースを数えきれないほど見てきた。その一方、クレームの対応をきっかけにして「この人ならすべてを任せられる」という揺るぎない信頼を得る営業スタッフもいる。クレームをいかに避けるかではなく、必ず発生するクレームにどう向き合うかが重要だ。今回はトップ営業スタッフがやっている“クレームを信頼に変える秘訣”について紹介させてほしい。

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クレームへの一次対応が、命運を分ける

 営業の頭をもっと悩ませるのが、お客様からのクレームである。できれば起こらないほうがいい。これはすべて営業スタッフが願うことだろう。

 営業では“絶好調のときほど、なぜかクレームが発生し失速する”ということが起こる。どれほど連続契約が続いていようが、どんなに表彰されようが、クレーム一発で一気にスランプに陥ってしまう。本当に恐ろしいことだ。

 私自身もこれを何度か体験した。

 ハウスメーカーの営業スタッフ時代のこと。新年度になり、いきなりラッキーな契約を獲得した。スタートが良いと、気分的に楽になる。それをきっかけに次々と契約を成立させた。なんと、たった3ヵ月で去年の1年分の契約を取ったのだ。

 会社では「菊原が今期のMVPになるのでは」と噂されるほど。お客様からの感謝の言葉、上司の絶賛、部下からの尊敬も。最高の状況だったのだ。

 そんなある日のこと。建築中のお客様から「菊原さん、現場に来てください」という連絡が入った。電話口のお客様の声や雰囲気から「これはクレームだな」とすぐに理解する。

 そのとき、思わず「今ちょっと手が離せない仕事がありまして、それを済ませてから向かいます」と回答した。心のどこかで「私が行くまでの間に現場監督が何とかしてくれるだろう」と思っていたのかもしれない。

 少し経ってから現場に行くと、何とも言えない微妙な雰囲気でお客様と監督と話をしている。お客様は私を見るなり「菊原さんには、本当にガッカリです」と言い放った。

 原因は、私の指示ミスだった。

 工程の確認を怠ったことで、お客様の希望が現場に伝わらず、間違った施工がなされてしまったのだ。一度作った部分を全撤去してやり直すという、大ごとに発展。チェックしていれば普通に防げたこと。単純なケアレスミスだった。

 そしてここで、さらに致命的なミスを犯してしまう。

 思わず口をついて出たのは「ほかの現場と重なっていまして……」という言い訳だった。お客様の怒りは爆発。そして担当を変えられ、出入り禁止となった。

 それまでこのお客様とは非常に良い関係を構築していた。それが一気に台無し。精神的なダメージは計り知れなかった。

 この件から一気に流れが変わる。その後、何をしてもうまくいかなくなった。どれだけ頑張って商談してもお客様から断られる。数ヵ月、まったく契約が取れなくなった。さらに現場監督やスタッフとの関係もぎくしゃくし、孤立状態に。クレームの対処を間違ったことで私は地獄に落ちた。

「なぜすぐに現場に行かなかったのか……」

「なぜいらぬ言い訳をしてしまったのか……」

 と死ぬほど後悔した。もし誠意ある対応をしていたら、信頼を失うことはなかっただろう。

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この記事の著者

営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明(キクハラトモアキ)

群馬県生まれ。大学卒業後営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。その後訪問から”営業レター”に手法を変えたことで4年連続トップの営業マンに。2006年に独立、講演活動、研修を行っている。2010年より関東学園大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を伝えている。2025年までに83冊の本を出版。ベストセ...

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