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SalesZine & Beyond 2025

2025年10月23日(木)12:30~17:45

インサイドセールスという仕事

内製AIツールで「確認ゾンビ」を撲滅! 月80時間削減の先に見えた「拡張していくISの役割」

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 2025年10月8日に実施されたInside Sales Award2025では、AI活用によってインサイドセールスの組織改革や顧客体験の向上を実現した各社が表彰された。本記事では、同アワードで優秀賞を受賞したテックタッチ 大友さんにインタビューを実施。エンタープライズセールス特有の複雑な情報確認作業を内製AIツールで削減。月80時間の削減と顧客体験の向上を実現した取り組みと、AI時代のインサイドセールスに期待する新たな役割について聞いた。

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「確認ゾンビ」がもたらす生産性低下とキャリアの危機

──アワードの受賞おめでとうございます! 受賞のポイントとなった「内製AIによるインサイドセールス改革」について、当時のインサイドセールスチームが抱えていた課題を教えてください。「確認ゾンビ」という、非常に印象的なワードも飛び出していましたね。

ありがとうございます。「確認ゾンビ」は、当時のインサイドセールス、とくにSDRチームが抱えていた苦しみを象徴する言葉です。思考を停止し、ひたすら情報を確認し続ける状態を指しているんです。

当社のインサイドセールスはBDR(Business Development Representative)チームとSDR(Sales Development Representative)チームに分かれており、BDRはフィールドセールスとバディを組み、アカウント専属担当として対応します。

一方、私たちSDRチームはお客様の企業規模を問わずすべてのお問い合わせに対応します。そのため、1社1社の最新の状況を常に把握するのは現実的ではありません。問い合わせがあるたび、SDRチームだけではなく、他部署が保有する過去の商談メモ、活動履歴といった膨大なフリーテキスト情報を、SFAのあちこちを探り、すべてキャッチアップしに行く必要がありました。

とくにエンタープライズ企業は関係者が多く、お付き合いの期間も長くなるため、社内でのコミュニケーション履歴が膨大になります。確認作業に多くの時間を割く「確認ゾンビ」が常態化していました。

テックタッチ株式会社 Sales Development Representative部 大友 萌子氏

──その確認にどれほどの時間がかかっていたのですか。

1件のお問い合わせに対して20分はかかっていましたね。業務時間をかなり圧迫していましたが、この確認作業をスキップすると、お客様にご迷惑をかけたり、社内のほかのチームに支障が出たりします。課題であることは認識しながらも、避けられないコストになっていました。

──「確認ゾンビ」の状態は、チーム全体や顧客対応にどのような影響をおよぼしていたのでしょうか。

主に3点ありました。ひとつが、ずばり生産性の低さです。本来インサイドセールスが時間をかけるべき顧客コミュニケーションに時間を割けず、活動数の向上や受注貢献を目指すうえで、明確な問題でした。

また、顧客体験としても良くありませんでしたね。社内確認に時間がかかるため、ファーストコンタクトが必然的に遅れてしまう。また、人間が確認する以上、重要な経緯やトラブル情報を見落としてしまう可能性もあります。「何も把握せずに連絡してきたのではないか」という印象を与え、顧客体験の悪化にもつながりかねない状況でした。

──モチベーションやキャリアへの影響はいかがでしたか。

これがもっとも深刻でした。いかに確認作業が社内とお客様の満足につながっているとしても、個人のスキルアップやキャリア形成、インサイドセールスとしての専門性を磨く時間には直結しにくい作業です。そのため、自分の仕事に価値を見いだせなくなり、モチベーションが下がってしまう。これは中長期的に見て、離職やメンタルに影響が出る悪影響だと考えていました。

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月80時間を削減 「独自の判断プロセス」を学んだ内製AIの開発

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この記事の著者

SalesZine編集部 高橋愛里(セールスジンヘンシュウブ タカハシアイリ)

1992年生まれ。新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/7827 2025/12/15 07:00

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