アンケート回答形式のメリット・デメリット
BtoBビジネスにおいても商品・サービスの開発や改善を行う際に、現場の声を拾うことは不可欠です。最近では、PC、スマートフォンなどを使ってウェブ上で回答でき、瞬時に集計できる便利なアンケートツールも普及しています。調査が容易になったことで、顧客満足度調査や社内の意見収集などさまざまな用途に活用されています。本稿はフリーコメントなどの定性データをテーマにしますが、まずは前提となるアンケートの回答形式についてかんたんに説明します。
回答形式 | 特徴 | 主なアンケートツールの形式 |
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シングルアンサー(SA) | 設問に対して選択肢をひとつ選ぶ | ラジオボタン、ドリルダウン |
マルチプルアンサー(MA) | 設問に対して選択肢から該当する複数の項目を選択 | チェックボックス |
フリーアンサー(FA) | 設問に対して回答者が好きな言葉を記載 | 自由記入欄 |
SA(シングルアンサー)はある設問に対して選択肢ひとつを選ぶものです。たとえば、飲食店の顧客アンケートで「当店のサービスにご満足いただけましたか?」という設問に対し、「とてもそう思う」~「全くそう思わない」まで5段階のいずれかを選択して答える形式のものです。アンケートツールではラジオボタンなどがよく使われます。
MA(マルチプルアンサー)はある設問に対して選択肢から該当する複数の項目を選択するものです。たとえば、「当店を選んでいただいた理由は何ですか(複数回答可)」という設問に対して「1.雰囲気がよいから」「2.料理がおいしいから」「3.便利な場所にあるから」などいくつかの選択肢の中から該当するものすべてを選択します。アンケートツールでは、チェックボックスなどが用いられます。
そして、FA(フリーアンサー)は通常文字数制限があるものの、設問に対して回答者が好きな言葉を記載することができるものです。たとえば、「当店のサービスへのご意見・アドバイスがあれば自由にご記入ください」のような例です。
SA、MAは回答者の分布や選択肢を点数化することによって平均値などを算出できるため、全体傾向などを示し、グループ間の比較をするのに便利です。しかしながら、企画者があらかじめ準備した設問に回答することになるため仮説検証の手段としては適していますが、新たな市場ニーズなど、探索的に情報を得たい場合はフリーコメント回答のほうにメリットがあります。ただし、フリーコメントはそのままでは集計できないので、情報を1つひとつ読み込んでいくなど分析作業の負荷は大きくなります。