すべてのデータを企業単位に名寄せできるSansan Data Hub
正確な顧客データの管理と活用にどう取り組めばよいのか。Sansanが行った調査によると、SFAやCRM、MAなどに蓄積されている情報のソースとしてもっとも参照されているのは名刺データだという。したがって、まずは名刺データを起点に顧客データを一元化することが第一歩となる。
名刺が示す情報は主に3つある。相手の最新かつ正確な「プロフィール」、相手と接点があったという出会いの証、すなわち名刺所有者の「人脈」、そして人脈から読み取れる名刺所有者のビジネスパーソンとしての「強み」だ。どういう業界の名刺を多く持っているか、どういう役職の人と会っているかを分析することで、名刺所有者のナレッジや得意分野を理解することができる。
オンラインコミュニケーションツールを活用した商談が増える一方、名刺交換という本来オフラインで行われていたイベントはデジタル化されず、初めての商談や複数名が参加する打ち合わせで同席する全メンバーの正確なプロフィールを把握できないケースが多発している。それを受けてSansanはオンライン名刺機能を2020年6月にリリースした。接点がオンラインになってもオフラインの名刺交換と同じようにビジネスプロフィールの交換を行えるというものだ。
「Sansan=名刺管理ツールの会社」というイメージが強いが、提供するソリューションは多岐に渡る。中でも、社内に散在する顧客データを統合・整理し、最適なマーケティングデータに進化させる「Sansan Data Hub」は名刺管理にとどまらない総合的なSales Techと言える。
Sansan Data Hubの最大の特徴は、すべてのデータを企業単位に名寄せできる点にある。名刺管理で培われた名寄せのノウハウをもとに、CRM、MA、SFA、ERPなど社内のあらゆるところに眠るさまざまな顧客データを統合できるのが強みだ。さらに、統合した情報に帝国データバンクなどのサードパーティーデータを組み合わせることで顧客データをリッチ化できる。
異なるデータ間における名寄せが難しい理由として、突合キーとなる「同じ文字列」を持っていないことが挙げられるが、Sansan Data Hubならアルファベット表記の「Sansan」、漢数字の「三三」、平仮名表記の「さんさん」に法人番号という共通の文字列が付与されるため、それらがすべて同じ法人を表していると正しく判定することができる。また、名刺に記載されている社名やドメインが変更されていても、辞書とAIを用いて表記違いを考慮しながら名寄せすることが可能となる。
「社内に散在する顧客データや今後増えていくオンラインの接点をきちんと統合し活用できる状態にすることが、冒頭で触れた正確な顧客データ基盤づくりにつながっていきます」(久永氏)