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営業のデータ分析、Excelじゃダメ? データ分析者に必要な心がまえ

2020/09/08 07:00

 本稿では、2020年7月9日にオンラインで開催されたSalesZine Day 2020 Summerの特別講演「[データの達人×CRMの達人]営業DX時代に成果を出し続けるためのデータ戦略とは?」の前編をお届けする。LAPRAS株式会社中島 佑悟氏、 ディップ株式会社 亀田重幸氏が登壇した。

業界超え進む営業オンライン化 「名刺の信頼」は代替される?

編集部 コロナ禍で働き方が変革したことはもちろん、企業によってはビジネスそのものもデジタルトランスフォーメーションする必要に迫られていると思います。そんな状況でも営業組織には変わらずに顧客に価値を提供し、売上を上げ続けるというミッションがあります。データ活用は、そんな営業組織の武器になると思いイベント全体のテーマにさせていただきました。本セッション、「[データの達人×CRMの達人]営業DX時代に成果を出し続けるためのデータ戦略とは?」では、LAPRAS中島さんとディップの亀田さんにお越しいただいています。

 おふたりのこれまでの取り組みや、いま営業にどんな変化が起こっているのか、そしておふたりによく寄せられるデータ活用に関する悩みについて回答いただければと思います。

 
亀田さん/中島さん

中島 よろしくお願いします。LAPRASというエンジニア採用サービスを提供するスタートアップに所属しています。僕自身が商談やマーケティングに取り組みながらデータ分析も実施しています。もともとは、広告の企画営業出身でテレアポを行うようなゴリゴリの営業も経験してきていますが、大学は理系専攻でRやPythonを使って統計解析したり、自分で簡単なウェブのアプリケーションつくったりしていました。

 当社での取り組みとしては、「売れる」ことにおいて営業のどのデータが重要かを明らかにするモデル式をつくりました。大体8割前後の案件で、受注するかしないかの理由を説明できるモデルです。

 

亀田 ディップのサービスで皆さんになじみが深いのは「バイトル」という求人サービスだと思います。近年は、企業の業務改善を支援するRPAツールの販売なども行っています。私は現在、自社の営業支援システムを構築する責任者を務めています。もともとはエンジニアだったのですが、アプリ制作や企画に携わりたくディレクター的役割を担うようになり、社内の新規事業に携わるようになりました。

 新規事業の一環で、自社営業組織にもテクノロジーを取り入れることとなりCRM導入支援やデータ分析にも取り組んできました。最近はデジタルトランスフォーメーションの推進も行っています。また、「レコリン」というCRMの入力部分など営業担当者が使う機能を使いやすくするアプリケーションを内製しました。すぐに顧客を見つけられ、商談名簿も簡単に作成できます。新卒も入り、大体1,700人ぐらいの営業担当者が毎日レコリンを使っています。

 

編集部 ありがとうございます。2社とも人材に関するサービスを提供されていますが、提供サービスや企業規模がまったくちがいますから、それぞれの視点でお話いただければと思います。まずはコロナ禍で営業組織にどのような変化がありましたか。

亀田 バイトルのお客様の多くは飲食店ですから、もちろん打撃は受けました。お客様側も苦しい状況のためこれから取り組むべきこともさまざまあると思いますが、良かったことは対飲食業界の営業オンライン化がかなり進んだことです。もともと、飲食店の皆さまはパソコンやスマホにも慣れていないという方も多いため、オンライン営業の実施は難しく契約なども紙を持っていく営業が多かったんです。もちろんツールの使い方などを各営業がお客様にお伝えするところで、苦労もあったと思いますが、結果的にはお客様にも効率的な働き方の支援ができること自体は良い傾向だと感じました。

 あとはオンラインだと名刺交換できませんよね。そこで、電話越しに事前にメーアドレスを聞き出すことがこの数ヵ月で上手になったという営業の声を聞いていますね。

中島 面白いですね。お客様の名刺はもちろんあるに越したことないですが、名刺の役割って何だったんだっけ? どの要素が必要なんだっけ? とあらためて問う機会になったと思います。

亀田 とりあえず交換して貯めているだけという側面もあった気がします。

中島 営業戦略の一環でユーザー層である採用担当者向けに技術解説などを行う書籍を出版しました。採用担当者がエンジニア採用や技術に関する知識がまだ足りずに、当社のサービスを検討しづらいという仮説からです。この本は、いま名刺代わりになっています。ウェブ上の記事も同様ですね。「中島さんのこの記事を見たのですが……」と商談や打ち合わせがスタートするようになりました。これまでの名刺は結局「部長」の肩書きによって信頼を得るために渡していた側面もあると思うんです。直接名刺を渡さなくなる時代になれば、ウェブ上のコンテンツなど自分のアウトプットが信頼を代替するようになるのではないかと考えました。

亀田 当社でも似たようなことを感じました。オンライン会議に「bellFace」を使うシーンも多かったのですが、画面内にプロフィールLPをつくることができます。営業がそこに趣味や自分に関するエピソードを掲載し、むしろ名刺だけでは生まれなかったアイスブレイクが発生するなど、SNSのように使うことで商談が円滑に進んだという例もありました。

編集部 今後営業担当者によっては、名刺よりリッチな情報交換するようになりそうですね。

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