クラウドエースは、AIエージェント(※)を業務で利用している「情報システム部門」「DX推進部門」「AI推進部門」の111名を対象に、AIエージェント活用に関する実態調査を実施した。
※AIエージェント:ここでいう「AIエージェント」とは、ユーザーの指示や目的に応じて、AIがユーザーに代わって自ら状況を判断し、さまざまなツール(アプリや他のAIなど)を使いこなしながら、一連の作業を自律的に実行するシステムを指す

AIエージェントを利用または利用予定の分野、「ヘルプデスクや社内問い合わせ対応(内容理解~回答作成まで)」が52.3%で最多

「Q1.あなたの業務で、AIエージェントは主にどの分野で利用、または利用を予定されていますか。(複数回答、n=111)」と質問したところ、「ヘルプデスクや社内問い合わせ対応(内容理解~回答作成まで)」が52.3%、「システム監視や運用管理(異常検知から対応まで自律的に実行)」が46.8%、「データ分析やレポート作成(データ収集~分析~アウトプットまで)」が45.9%という回答となった。
約半数が、AIエージェントを「複数のタスクを組み合わせ、自律的に運用している」実態

「Q2.現在の職場でのAIエージェント活用度合いは、どの段階に近いですか。(n=111)」と質問したところ、「複数のタスクを組み合わせ、自律的に運用している」が45.0%、「特定のタスクを自律的に処理している」が37.8%という回答となった。
AIエージェント活用における課題、第1位「既存システムとの統合・連携が複雑」、第2位「複数のエージェントを効率的に連携させられない」

「Q3.AIエージェントを活用する中で、業務上の課題として感じているものを教えてください。(複数回答、n=111)」と質問したところ、「既存システムとの統合・連携が複雑」が 51.4%、「複数のエージェントを効率的に連携させられない」が42.3%、「出力内容の根拠や判断過程がわからない」が39.6%という回答となった。
「シャドーAIのリスク」や「セキュリティーと専門分野に精通している社員の不足」などの課題も
Q3で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q4.Q3で回答した以外に、業務上の課題があれば自由に教えてください。(自由回答、n=108)」と質問したところ、「シャドーAIのリスク」や「セキュリティーと専門分野に精通している社員の不足」など52個の回答を得ることができた。
<自由回答・一部抜粋>
- シャドーAIのリスク
- セキュリティーと専門分野に精通している社員の不足
- 適切な人員配置ができない
- 構築業者へ支払う金額の根拠や相場が明確でない
- 社外秘の取り扱いや、他社の権利を侵害していないかのチェック
- 精度をコントロールできない
AIエージェント活用の課題による負担、「人材面(専門知識を持つ人材の確保や育成)」、「業務効率面(期待した効果が得られない)」が上位

Q3で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q5.AIエージェント活用における課題によって、あなたの業務に最も大きな負担となっているのはどの領域ですか。(n=108)」と質問したところ、「人材面(専門知識を持つ人材の確保や育成)」が 29.6%、「業務効率面(期待した効果が得られない)」が25.9%、「セキュリティ・リスク管理面」が23.1%という回答となった。
約6割が、AIエージェント導入・活用によって「人的ミスが減り、作業の品質が向上した」と実感

「Q6.AIエージェント導入・活用によって、実感している効果があれば教えてください。(複数回答、n=111)」と質問したところ、「人的ミスが減り、作業の品質が向上した」が 57.7%、「24時間対応が可能になった」が42.3%、「専門知識が必要な業務を効率化できた」が36.9%という回答となった。
今後の進化として、50.5%が「セキュリティ機能がさらに強化されること」に期待

「Q7.今後、AIエージェントにどのような進化を期待しますか。(複数回答、n=111)」と質問したところ、「セキュリティ機能がさらに強化されること」が50.5%、「判断の根拠や過程が明確に説明されること」が46.8%、「既存システムとの統合がより簡単になること」が 45.0%という回答となった。
半数以上が、外部からの支援として「導入事例やベストプラクティスの共有」を希望

「Q8.AIエージェント活用がもっと広がるために、外部からの支援として必要だと思うものを教えてください。(上位3つまで回答可、n=111)」と質問したところ、「導入事例やベストプラクティスの共有」が52.3%、「セキュリティガイドラインの整備」が40.5%、「開発・構築を支援する専門サービス」が36.0%という回答となった。
39.6%が、今後3年以内にAIエージェントの活用範囲を「一部業務での活用拡大を検討したい」と回答

「Q9.今後3年以内に、AIエージェントの活用範囲をどのように広げたいと考えていますか。(n=111)」と質問したところ、「一部業務での活用拡大を検討したい」が39.6%、「全社的な活用を目指したい」が37.8%という回答となった。
「試行錯誤しながら、改善が見込める部分に適用して効率を図りたい」や「多様な業務で生成AIを活用する」などの声も
Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q10.Q9で回答した以外に、AI エージェントの活用に関してお考えがあれば自由に教えてください。(自由回答、n=106)」と質問したところ、「試行錯誤しながら、改善が見込める部分に適用して効率を図りたい」や「多様な業務で生成AIを活用する」など51の回答を得ることができた。
<自由回答・一部抜粋>
- 試行錯誤しながら、改善が見込める部分に適用して効率を図りたい
- 多様な業務で生成AIを活用する
- 自社環境やビジネスモデルにも適合できるようにすること
- AIにすべてを任せるのではなく、うまく活用できればいい
- コストカットにつながる
- 使いこなせるようになって、適用範囲を広げたい
【調査概要】
調査名称:AIエージェント活用に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査日:2025年9月16日
有効回答:AIエージェントを業務で利用している「情報システム部門」「DX推進部門」「AI推進部門」の111名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っている。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がある