パートナープロップは、日本におけるパートナービジネスの状況、およびパートナーマーケティングの成熟度を明らかにするため、ビジネスパーソン355名を対象に実態調査を実施し、その結果をまとめた「パートナーマーケティング白書2025」を発表した。

パートナービジネスの課題は「スキルやモチベーションのばらつき」が最多

パートナービジネスの課題を調査したところ、スキルやモチベーションのばらつきが34%ともっとも大きな課題であることがわかった。また、パートナーへの有効な施策がわからない、稼働状況がわからないなど、ナレッジ不足に起因する課題も生じている。スキル不足は育成コンテンツの設計、モチベーションのばらつきは、ランク制度や共同マーケティング施策の整備などで解消していくことが一般的である。パートナーマーケティングの重要度が高まる背景には、パートナービジネスの構造的な課題があることがわかる。
パートナーマーケティングの認知度は高いものの、投資は限定的 海外との差が鮮明に


調査では、約70%の回答者が「パートナーマーケティングには一定以上の価値がある」と答えており、認知度自体は高いことが明らかになった。しかし、予算の増加以降を質問したところ、「予算を増加させる」と回答したのは24%にとどまり、価値認識と実行の間にギャップが存在していることがわかった。
海外調査(※)と比較すると、その差は一層際立つ。海外でも「パートナーマーケティングに価値がある」との回答は68%とほぼ同水準だが、予算増額意向は62%に達しており、日本との差が顕著である。
つまり日本では、重要性を理解しながらも投資や施策実行に踏み切れていない実態が浮き彫りになった。さらに企業規模別に見ると、中堅・大企業では「成長の次なるドライバー」としてパートナーマーケティングを捉える傾向が見られる一方、小規模企業では認知度が低く、「まずは直販で事業を大きくしてから」という暗黙の了解が根強く残っていることが示唆された。
※参照:FOUNDRY「State of Partner Marketing Study」
成果に直結する「プログラム設計」は未整備──小粒施策にとどまる日本企業

次に、パートナーマーケティングの具体的な取り組み状況を見た。
「パートナーとの共同マーケティング」や「パートナーの育成コンテンツの整備」は、約6割の企業が一度は実施した経験があると回答した。これらはいずれも比較的コストを抑えて実行できる活動であり、前段で触れた「予算拡大に慎重な姿勢」と合致する結果と言える。一方、パートナープログラムの構築といった、本格的な仕組みづくりに取り組んだことがない企業が多数を占めている。これは費用やリソースがかかる施策であるため、日本企業の多くは依然として「小さく試す」段階にとどまっている実態が浮かび上がった。

一方で、各施策の実施経験がある企業にそれぞれの成果実感を質問したところ、パートナーランク整備における成果実感は80%以上と、全施策の中でもっとも高い結果となった。共同マーケティングやコンテンツ整備といった比較的軽量な取り組みよりも、体系的なプログラム設計に踏み込んだ企業ほど、成果を強く実感している傾向が見られた。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年8月
有効回答:パートナービジネスを実施している企業のビジネスパーソン355名
調査主体:パートナープロップ