自社特有の「トークスクリプト&応酬話法」をつくっていますか?
前回の記事では、2種類ある型のうち、「どの組織にも共通する営業の型=普遍的な原理原則」について解説しました。今回は、「組織ごとにつくるべき営業の型=自社特有の型」(表の青枠部分)について解説します。

1. どの組織にも共通する営業の型=普遍的な原理原則
2. 組織ごとにつくるべき営業の型=自社特有の型
前回記事【第2回】
最初にお伝えしておくと、私が言う「自社特有の型づくり」で目指すべき最終地点とは、その組織に最適なトークスクリプトや応酬話法を作成することです。
キーエンスにしてもプルデンシャルにしても、組織として定められたトークスクリプトや応酬話法が当たり前のように存在しています。実際の商談も、社内で行うロープレも、定められたスクリプト(=型)があるからこそ適切な評価ができるのです。
キーエンスの場合は、トークスクリプトと応酬話法以上に、製品ごとに用意されていた「ベストデモ」が重要視されていました。ベストデモは、製品の最大の利点がお客様にもっとも明確に伝わるデモンストレーションのことで、その内容が“ガチガチ”に決められていたのです。
ハイパフォーマーにインタビューし、営業のノウハウを可視化する
では、これらのトークスクリプトや応酬話法をつくるために真っ先に行うべきことは何でしょうか?
それは、ハイパフォーマーの暗黙知になっている営業ノウハウの可視化です。高い営業成績をあげている社内のハイパフォーマーたちにインタビューをし、彼ら/彼女らが日々行っていること、考えていることを明確に言語化することがスタートです。
この話をすると、「ハイパフォーマーの商談を動画に撮って、それを見て覚えたら良いのでは?」と聞かれるのですが、それでは意味がありません。
「なぜ、このタイミングでこの発言をするのか?」「なぜ、これを聞かれたらこのように受け答えするのか?」といったことの意味や意図を、1つひとつ丁寧に言語化し、誰でも理解できるように伝えることが、型の浸透に必須だからです。