AIが即座に情報提供 9割超の社員が利用する「SB C&S AI CHAT」
──北澤様のご経歴と、現在のお役割についてお聞かせください。
1998年に入社以来、当時のソフトバンクが本業としていたIT流通ビジネスに一貫して携わっています。キャリアは営業からスタートし、その後、仕入れを行うバイヤー、新規事業、営業戦略室といった戦略部門も経験しました。
現在は、2017年ごろから従事していた業務改革部門の延長線上で、昨年発足したスマートオペレーション推進本部を率いています。ここ2~3年、生成AIも本格的に活用しながら全社的な業務改革を推進しています。
営業組織においては、「属人化」に切り込んだ改革を重点的に進めてきました。お客様と担当者の付き合いが長くなるにつれて「1言えば10わかる」という深い関係が築かれる反面、その担当者が休んだり退職したりすると、業務の代わりがきかないという問題が生じていたためです。
この属人化を打破するため、業務を可視化し、複数人で共有・シェアリングする仕組みを構築してきました。
──AIを活用した業務改革について詳しく教えていただけますか。
実は弊社では、6~7年前から、識別系AIを活用し業務効率化を進めてきました。たとえば、フォーマットが異なる注文書の画像処理や、簡単な見積もり依頼メールへのAI対応などです。
そして、生成AIが急速に発展した2年ほど前からは、生成AIを活用した全社向けチャットサービス「SB C&S AI CHAT」を展開しています。とくに力を入れたのが、社内データを連携させるRAG(Retrieval Augmented Generation)の仕組みです。商品ポータル情報に加え、人事・総務・経理などのバックオフィス手続き情報も構造化して集約しました。これにより、「誰に聞けば良いかわからない」といった課題を解消し、AIへの質問で即座に情報が得られる世界観を実現しました。現在、社員の約9割が利用するインフラとなっています。
──営業現場において、SB C&S AI CHATはどのように役立っていますか。
現場でとくに効果が出ているのは、商品検索です。弊社はディストリビューターとしてさまざまなメーカー製品を扱っており、これまでは製品情報について、仕入れ担当者に問い合わせて返事を待つ必要がありました。しかし、AIがデータベースから回答を導き出すことで、その工数を大幅に削減できています。
また、現在開発を推進している施策として、お客様からの「特定のメーカーにこだわらず、このスペックで見繕ってほしい」といった、多様な問い合わせへのAI対応も進めています。
この開発中の機能の回答精度が社外に出せるレベルになれば、お客様自身がウェブサイト上で解決できるセルフサービスとして公開し、業務の効率化と顧客体験の向上が目指せると考えています。

