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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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SalesZine & Beyond 2025

2025年10月23日(木)12:30~17:45

SalesZine Day 2025 Summer(AD)

年間売上29%増を実現 AI搭載×単一プラットフォーム構造で日本の営業を変える「Smart CRM」

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 顧客情報管理の基盤となるCRMは現在、AI技術を取り入れた「Smart CRM」へと進化しつつある。CRMにAI機能が実装されると、BtoB営業のあり方や営業のプロセスはどう変わるのか。2025年7月24日に開催されたSalesZine Day 2025 Summerでは、HubSpotの導入支援を行う100(ハンドレッド) 代表取締役 田村 慶氏が登壇。Smart CRMの定義と、それを具現化している最新HubSpotの全体像および活用ポイントについて語った。

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6割が失敗? CRMの導入・活用を成功させる4つのポイント

 100(ハンドレッド)は企業に対するHubSpot CRMの導入・活用支援を行っており、2018年の創業からこれまでに350社以上の支援実績を誇る。田村氏自身は2012年からHubSpotの導入・活用パートナー事業を手掛けており、HubSpotユーザーグループ「Japan HUG」の運営者としても活躍している。

 冒頭で田村氏は、CRMを導入している企業の約60%が「導入に失敗した」と回答しているデータを紹介。「導入はしていても社内で活用できている企業は少ない」と評し、その原因および課題として4つの点を指摘した。

 ひとつめの課題は、Excelやスプレッドシートで個別に情報を管理していることだ。その結果、情報が更新されない、どれが最新版かわからない、担当者が退職して情報が引き継がれないなどの問題が発生している。

 ふたつめは、CRM内のデータの精度が低下していくという問題。専任の管理担当者がいないことで、誤入力や重複、更新漏れなどの不正確なデータが増えてしまう。

3つめは、部門間の情報分断によって顧客体験が一貫していないこと。それにより、顧客へのコミュニケーションに非効率が生じているという。

 そして4つめが、データ活用の欠如で営業機会を損失している問題だ。リアルタイムな分析や予測ができないため、実施したい施策が打てず、精度の高い分析ができている競合他社に先を越されてしまう。

 CRMの導入・活用を成功させるためのポイントとして田村氏は「(1)部門間の連携促進」「(2)データの正規化と分析」「(3)プロセスの再現性の確立」そして「(4)AIによる構造化データ・非構造化データの活用」という4つのポイントを挙げる。

「(1)部門間の連携促進」では、「顧客体験を一貫させ、購買体験を向上させるサービスを提供する」というCRM導入・活用の目的を、会社全体や各部門で明確にすることが重要だという。そのために、まずはしっかり目的を定め、共通ダッシュボードやレポートを作成し、数値を明確な指標で管理し、一気通貫で確認しつつ成果を評価していく。

 同時に営業、マーケティング、カスタマーサクセスの各部門の連携を強化して、その協力体制のうえで会議やフィードバックの仕組みを社内に整備する。

「(2)データの正規化と分析」は、より良い顧客サービスを提供するうえで必要なデータを収集し・管理・分析するプロセスとなる。

 ステップとしては、データを収集し、CRM内で管理し、それを分析することによってもっとも効果的な施策を特定していく。データを溜めるだけではなく、勝ちパターンを発見し、ボトルネックを特定して改善・最適化するPDCAを回していくプロセスを、CRMを用いて実践していくのだ。

株式会社100 代表取締役 田村 慶氏

株式会社100(ハンドレッド)代表。HubSpot CRMを活用し、マーケティングや営業プロセスの最適化、Webサイト構築など顧客接点のDXを推進。2023年8月にアジア初のHubSpot Elite パートナー認定。国内初のHubSpot Community Champion・HubSpot認定トレーナーとしてコミュニティ拡大に注力中。HubSpot歴13年。

「(3)プロセスの再現性の確立」については、再現性が高い成功パターンのワークフローを発見して、PDCAを回していくことが重要である。その際にCRMに蓄積されたデータを活用し、顧客とのコミュニケーションを最適化する業務フローを設計していく。

 そのうえでこれからは、「(4)AIによる構造化データ・非構造化データの活用」が不可欠になると田村氏は説く。

単一プラットフォーム構造×AIによるデータの有効活用

 非構造化データとは、オンラインミーティングでの会話ログなどを指す。

 最近のCRMにはAIが標準搭載されており、具体的な機能として、顧客の行動履歴から最適な商材や売れる可能性の高い商品を提案するレコメンデーション、商談の進行状況をもとに成約率を示す需要予測・購入確度予測、さらにマーケティング活用のためのコンテンツ生成などがある。

 そのほかにも、部門や役職名の統一、名寄せ、表記ゆれを修正するデータ品質向上機能、業務補助・自動化を支援するAIエージェント機能も備わっている。

 田村氏によれば、これらは構造化データと非構造化データの活用によって実現しており、このようにAIが組み込まれたCRMが「Smart CRM」である。

「従来のCRMは目的や部署ごとに分かれた構造でしたが、Smart CRMはデータや顧客接点を一気通貫で管理し、全機能が統合された単一プラットフォーム構造になっています。設定も、エンジニアによる複雑な作業を必要とせず、ノーコードで行うことができ、現場も直感的に使えるため運用や定着がしやすいのが特徴です。そのため、各部門が業務を進める中でお客様のデータがどんどん蓄積され、それをさらにAIを通じて有効活用できるようになります」(田村氏)

 Smart CRMを活用することで、AIエージェントに代表される「日常業務の自動化・最適化」、施策の提案や意思決定を支援する「パートナーとしてのCopilot」、個々の興味に基づくパーソナライズ対応を可能にする「リアルタイムコミュニケーション」、そしてAI活用全般が目指す「人とAIの共存・新しい働き方」を実現するという。

AI機能「Breeze」を搭載 最新HubSpotが提供する価値

 このSmart CRMの代表格が、世界135ヵ国、約25万8,000社が導入しているHubSpotである。最新のHubSpotは、顧客データ管理機能に加え、マーケティング・セールス・サービスなど業種・業務別の6つの製品群(Hub)、さらにAI機能を統合したSmart CRMとなっている。

 中でも注目すべきが、AI機能「Breeze」だ。

「Breezeは大きく4つの機能を備えています。とくに、対話型アシスタントの『Copilot』、自律的に業務を実行する『Agents』、データの拡張や分析・洞察をする『Intelligence』の3つが特徴的です」と田村氏は評する。

 CRMとして初となるChatGPTとの公式連携機能を搭載し、AIエージェントがデータを参照するための規格(MCP)に対応するなど、AI活用との親和性が高い形となっている。

 それぞれを見ていくと、Copilotは会話型UIで、顧客に関する質問を入力するとウェブやCRMデータから情報を要約し、過去のやりとりの履歴も確認できる。質問のテンプレートも用意されており、かんたんに必要な情報を入手できる。

 Agentsは、いわゆるAIエージェント機能である。ウェブサイトやブログ、FAQなどから学習して回答する自動チャットボットの「顧客対応」、ブログや導入事例の下書き、SNS投稿を自動作成する「コンテンツ」および「SNS」、見込み顧客へのメール送信タイミングを提案し、下書き作成や自動送信まで行う「案件創出」、カスタマサポートのやり取りに基づいてナレッジベースの記事を自動生成する「ナレッジベース」の5種類のエージェントが用意されている。

 Intelligenceは、Smart CRMを実現するためのデータ拡張機能である。顧客データベースに売上、業種、会社住所などを付与するデータ拡張(データエンリッチメント)のほか、どの企業が自社ウェブサイトのどのページにアクセスしているかをIPアドレスベースで参照し、新規登録できる機能や、訪問者入力フォームの短縮機能などを提供する。

 さらにBreezeでは、営業レポート作成や、ZoomやTeamsと連携して要約を作成する「コミュニケーションインテリジェンス」など、AIを活用した業務迅速化の機能も実現している。

 営業現場での活用事例としては、最新情報を基に商談提案書を自動で作成するケースや、商談の議事録作成およびネクストアクションの確認顧客の行動データからインサイトを得るような活用方法があるという。

年間売上29%増、顧客満足度53%増 グローバルでの成功を日本へ

 Smart CRMの導入効果については、日本ではまだ活用が進んでいないものの、米国では成果が出ているとのこと。HubSpotの調査によれば、従業員ひとりあたりの処理タスク数が増えたことで生産性が34%向上。リードの獲得件数も増え、細かな施策を打てるようになった結果、導入から1年後の売上は平均で29%伸びているという。

 顧客体験においても、顧客満足度が53%向上し、顧客維持率(LTV)が27%増加。顧客情報を引継いで一元管理できていることが、顧客満足度に直結していると田村氏は分析する。

「単一プラットフォームでお客様の情報を一元管理し、それをAIで有効活用するSmart CRMは、今後日本の営業現場でも有効なツールになっていくでしょう」(田村氏)

 最後に田村氏は、Smart CRMの効果的な導入アプローチを説明した。

「まずExcelやCRMに入っている顧客リストを棚卸しして、次に小規模の事業部単位で導入して成功パターンをつくり、最終的に全社展開することをおすすめします。いきなり全社導入しようとすると、構想を練るだけで数年かかりかねません。どの業務をAIに任せていくかを決めてから全社展開していきましょう」(田村氏)

CRM導入・活用に課題を感じている方におすすめ!

「導入はしたけれど成果につながらない」「もっと効率的に使いたい」と感じていませんか? 100(ハンドレッド)では、HubSpotを中心としたCRM導入支援に加え、“使われる仕組み”づくりまでサポートしています。

 現在、CRM導入を成功に導くためのチェックリストや活用のヒントをまとめた無料資料を公開しています。ご関心のある方は、資料ダウンロードページからご覧ください。

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提供:株式会社100

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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