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2025年7月24日(木)13:00~18:20

「富士通アカウントバディ」の挑戦

「富士通アカウントバディ」の挑戦 デジタルセールスが切り拓く新たな顧客深耕モデル

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停滞商談を受注へ導く 「3Dアプローチ」の実践

──「富士通アカウントバディ」を掲げ、ABSに取り組む中で、営業活動にどのような変化がありましたか?

重松 とある既にお取引のある企業で新たな部門から受注を獲得した際、富士通に決めた理由を顧客にたずねたことがあります。すると、「“富士通”の名前が、社内の各部署に浸透していたから」と言われたんです。実はこの企業は、フィールドセールスが情報システム部門を中心に商談活動を行う一方で、デジタルセールスがこれまで付き合いのない現場部門にアプローチし、複数のキーパーソンを発掘したり、商談を獲得したりといった活動を行っていました。この活動が、新たな現場部門からの受注につながったのです。

 これはフィールドセールスとの密な連携のもと、デジタルセールスがその企業に寄り添ったウェットなコミュニケーションを重ねてきたからこその結果。大きな成果のひとつだと感じていますね。

村上  ABSは、顧客によって優先度や時期が異なり動いていない案件に対しても、他部署のキーパーソンを見つけてアシストすることができるんです。また、複数部署の課題やニーズを集約して、アプローチしたい部署に提案するべきテーマの仮説を立てることもできる。デジタルを活用した接点開拓やオポチュニティづくりで、幅広く価値が出せるようになってきたのではないかとも思います。

重松 これをデジタルセールスでは「3Dアプローチ」と命名し、モデル化してより幅広く展開しようと試みています。エンタープライズ企業における商談決定は平均6.8人へのアプローチが必要だと言われていますが、この3Dアプローチは、多様なキーパーソンにアプローチし、顧客内での合意形成を促進する具体的な施策として理にかなっていると思っています。

 3Dアプローチの「3D」とは、アプローチすべき3つの方向性を指します。

  • 縦のアプローチ:より役職が上位の意思決定者やキーパーソンへの再アプローチ
  • 横のアプローチ:異なる部署のキーパーソンへのアプローチ
  • 過去へのアプローチ:過去の商談を再ターゲットにし、縦と横へ再アプローチ

 このように、フィールドセールスがまだコンタクトしていない顧客社内のキーパーソンを幅広く発掘することで、停滞商談に対して新たな接触先を増やせるわけです。具体的には、フィールドセールスが会話している相手の上司や横の部門、過去の商談関係者など、多様なキーパーソンを増やすことで、富士通を支持してくれる「真のキーパーソン」と出会う機会を創出します。複数のキーパーソンとお会いすることで、表面的な課題にとどまらず、企業の真の経営課題を深く引き出すチャンスにもなりますし、複数の方から商談推進の合意を得られるため、最終的な商談の受注率アップにもつながっていくんです。

 新規キーパーソンの発掘や、顧客の生の声を聞くことを強みとして活用すること。これこそが、デジタルセールスならではの大きな価値だと考えています。

村上 3Dアプローチのような取り組みを実現するには、何より、デジタルセールスとフィールドセールスが一緒に取り組むマインドが大事なんです。

 以前、フィールドセールスとさらに連携するためにはどうするべきか、お互いの考えを話す会を設けたことがありました。その時に私から「もっとバディになりたい」と言ったら、フィールドセールスから「えっ、私たちはもうバディだよね!」と言われた時はうれしかったですね。そうした関係性を築くには、着実に成果を示したり、声をかけたり、地道な活動があってこそ。まずは自分の周りから、「こうしたら密に連携できるのではないか」というアイデアを実践するところから始めてみると良いのではないでしょうか。

──「富士通アカウントバディ」の誕生背景や、デジタルセールスとフィールドセールスがどのように連携を深め、新たな顧客価値を創造しているのか、全体像がよくわかりました。重松さん、村上さん、本日はありがとうございました! 第2回では、デジタルセールスとフィールドセールスが日々いかにデジタルを活用しコミュニケーションを深めているのか、をポイントに「OneCRMの推進」について詳しくうかがいます。どうぞお楽しみに!

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この記事の著者

岡田 果子(オカダカコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/7137 2025/07/11 07:00

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