「営業検定」で見えてくるものとは?
──営業推進のチームを中心に行っているSHIFTらしいイネーブルメント施策があれば教えてください。
臼井(営業企画) データの可視化にこだわっています。可視化しなければボトルネックは特定できません。SFAに貯めていくデータの項目について、現場と経営の意向双方を確認し、議論しながら進めています。
また、SHIFTの特徴として提供サービスの多さが挙げられます。そこで、営業資料の標準化に加え、グループ会社や新しいソリューションなどを共有する営業勉強会も週に2回主催しています。そのうえで、インプットが身についているかをスコア化する取り組みのひとつとして、社内で「営業検定」を実施しています。

臼井(営業企画) 技術領域の検定はイメージしやすいと思うのですが、営業検定ってどんなもの? と思われるかもしれません。たとえば、訪問前の事前準備や初回訪問時のヒアリング、商談後のネクストアクションや提案のつくりかたなどをできる限り細分化して、検定をつくりました。検定を受けると、得意なところと苦手なところが見えてくるんです。
──「営業検定」、おもしろいですね。作成は難しそうですが、現場の営業と一緒につくったイメージでしょうか。
高見沢(営業部長) まさに、営業現場とのすり合わせはかなり行いました。まずは、営業に必要なベース能力を可視化し、その能力レベルを測る検定に落とし込みました。もちろん市場環境も変わるため、運用を回しながら、受験者から出てきたスコアと本人のパフォーマンスが合っているのかを確認しながら、常に検定自体をチューニングしています。
──検定ということで、不合格・合格などが決まるのでしょうか。
高見沢(営業部長) はい、スコアによる合格ラインを設けています。一発で合格するメンバーもいれば、複数回チャレンジするメンバーもいますが、結果に一喜一憂するものではなく、自分の現在地を把握し、足りない部分を改善していくのが目的だと伝えています。

──イネーブルメント施策を現場と企画で進めていくなかで、ぶつかった壁はありますか。
臼井(営業企画) 推進側としては日々ぶつかっています(笑)。うまくいっているように見える部分もあると思うのですが、200名ほどの営業パーソンに対して役立つ施策を提供するために、日々泥臭く現場の状況を把握しに行っています。提供後も、その施策がどうとらえられているか確認していますし、現場と会社の意向をいかに間に入ってチューニングするかは意識していることです。
──営業と企画側の距離の近さは印象的です。とはいえ、営業現場の忙しさは想像以上だとも思います。育成のための施策を提供する際の難しさはありますか。
高見沢(営業部長) 忙しい営業現場に対しては、この取り組みをやる意味や背景をできるだけ咀嚼して伝えるように意識しています。
実施後も百発百中でうまくいくかといえば当然そうではありません。それでも、マネジメント職の役割は、ビジョンや意義をきちんと伝え、「これをやったらこう良くなるんだ」「こんなに売上につながるんだ」と理解してもらうことです。この面白さと難しさを日々感じています。とてもやりがいはありますね。