顧客情報の一元管理で、商談準備を効率化
接点情報とは、「顧客の人物情報」と「顧客の活動情報」のことである。顧客の人物情報とは、名刺や、メールの署名情報、人事情報など。また顧客の活動情報というのは、商談履歴やウェブからの問い合わせの内容、社内の人脈情報などを含んでいる。

接点情報には、案件の決裁者やキーパーソン、製品導入における賛成派・反対派といった重要な情報が含まれているはずだ。しかし、「こういった接点情報は多くの企業が蓄積・活用に苦労している」と島崎氏は指摘する。多くの企業が、見込み顧客の案件情報や受注企業の取引先情報の蓄積にとどまっているという。
そこでSansanでは、営業DXサービス「Sansan」を通して、顧客の情報をすみずみまで集約できる接点情報のプラットフォームを提供している。
「Sansanでは、交換した名刺の情報やメールの情報が人物情報として蓄積されます。そこに、どういったコミュニケーションをとったのかという活動の履歴が重なっていきます。加えてSansanでは、100万社以上の企業情報や、大手企業の役職者の情報をあらかじめ保有しています。この企業情報と接点情報を組み合わせることによって、営業活動をサポートしています」(島崎氏)

さらにSansanでは、メール配信やDM送付といった機能も備えており、顧客へのアプローチを強化することも可能だ。
もうひとつのITツールの導入目的である「コスト削減」に関しても、多くの企業が課題を抱えている。実際、サービスを導入したものの、思うようにコスト削減につながっていないと感じる営業パーソンも多いだろう。

島﨑氏はマッキンゼーの調査データを示しながら、「日本企業の営業生産性が低いのは、業務時間の半分以上を資料作成などの時間に充てているため。提案準備の時間は全体の3割程度にとどめるのが理想」と指摘した。

この効率化を実現する鍵は、「顧客情報を一元的に管理すること」だと島﨑氏。ひとつのツールの上で、顧客に関するさまざまなソースの情報を一括で見ることができれば、商談準備の時間短縮につながる。
「Sansanでは、直近の売上や中期経営計画、その企業に関連する最近のニュースといった企業情報をシームレスに見ることができます。また、商談の担当者の人物情報や活動情報もあわせて確認できるため、商談準備の効率化につながると考えています」(島崎氏)