SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

  • 前回のSalesZine Dayのセッションの様子をレポート記事でお読みいただけます。

  • 過去開催時のイベントテーマをまとめてご覧いただけます。

直近開催のイベントはこちら!

SalesZien Day 2025 Winter

2025年1月28日(火)13:00~18:20

SalesZine Day 2025 Winter(AD)

「リードは大切な生もの」 腐らせずに商談化させるための重要KPI「マーケティングベロシティ」とは

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

 マーケティングと営業の連携は、多くの企業で長年の課題となっている。とくに顧客のデジタルシフトが加速する中で、マーケティングから営業に対する商談供給の重要性が増している。しかし、リード獲得数のみを重視するKPI設定や、部門間の連携不足により、せっかく集めたリードが「腐って」しまうケースが後を絶たない。2025年1月28日に開催された「SalesZine Day 2025 Winter」で、イノーバ 代表取締役社長の宗像淳氏は、この課題を解決する新しいKPI「マーケティングベロシティ」について提言。14年間で600社以上のBtoBマーケティング支援を手がけてきた同氏は、「リードは生もの」という独自の視点から、マーケティングと営業の新しい連携のかたちを示した。

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

デジタル時代の「水漏れファネル」が奪う成長機会

 顧客行動の劇的な変化は、従来の営業モデルを根本から揺るがしている。HubSpot社の調査によると、購買者の75%が製品に関する情報を自分で収集することを好み、57%が営業チームと会うことなく購入を決定する。この変化は、コロナ禍を経て一層加速した。

株式会社イノーバ 代表取締役社長CEO 宗像淳氏
福島県立安積高校、東京大学文学部卒業。ペンシルバニア大学ウォートン校MBA(マーケティング専攻)。1998年に富士通に入社、北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等の広汎な業務を経験。MBA留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから転職し、楽天で物流事業立ち上げ、ネクスパス(現トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当。ネクスパスでは、事業開発部長として米国のベンチャー企業との提携をまとめた。2011年6月にコンテンツマーケティング支援の株式会社イノーバを設立、代表取締役に就任。

「上層部から『うちみたいな会社はアナログじゃないとダメなんだ』といった声が挙がることがありますが、それは完全な思い込みです。お客様の行動が変化している以上、企業も変わらなければなりません」(宗像氏)

 ガートナーの調査によると、顧客は課題を認識し始める段階から、解決策の模索、要件定義、データ設定に至るまで、あらゆる段階で徹底的なオンライン情報収集を行っている。後半のプロセスでは情報収集の頻度は減少するものの、初期段階での情報収集は極めて活発だ。

 この環境変化の中で発生しているのが「水漏れファネル問題」だ。これは、獲得したリードが適切にフォローされず、商談につながらないまま流出してしまう状態を指す。主な要因として、マーケティングから営業へのリードの受け渡しが早すぎることや、営業によるリード対応への不足が挙げられる。「水漏れファネル問題」を放置しておくと、商談機会の損失やマーケティング予算の浪費につながると宗像氏は指摘した。

 宗像氏が支援したある企業では、この問題が顕著に表れていた。同社では商談供給において、マーケティングから営業への直送ルートと、インサイドセールス経由のルートのふたつを設けていた。大手・優良企業からのリードは営業直送、それ以外はインサイドセールス経由という仕分けだ。

「蓋を開けてみると、衝撃的な結果が見えてきました」と宗像氏は語る。よかれと思って実施していた営業直送ルートの商談化率はわずか3%。一方、インサイドセールス経由のリードは60%が商談化していたのだ。「これは特殊な例ではありません。形を変えて、多くの企業で同様の問題が起きています」(宗像氏)。

 この問題の根底には、新規リード獲得数への偏重がある。IDEATECH社の調査によると、BtoBマーケティング担当者の32.1%が「新規リード獲得数」を最重要KPIとして挙げている一方で、受注率や商談化率といった指標を重視している割合は10%以下にとどまる。

「この状況では、リードの質よりも数を追いかけざるを得ません」と宗像氏は指摘する。実際の分析では、リードは次のような分布を示していた。全体の5%は「いますぐリード」として理想的な状態にあるが、出現率が極めて低い。45%は「まだまだリード」として育成の可能性を秘めているが、マーケティングも営業も手が回っていない。そして残りの50%は「無駄リード」であるにもかかわらず、KPI上は評価されてしまうという本末転倒な状況が生まれている。

「ターゲット外のリードを集めて、賞味期限管理もしていなければ、MAのライセンス料を無駄に支払っているようなものです。これでは本来の成果は得られません」と宗像氏は警鐘を鳴らす。

次のページ
セールスベロシティとマーケティングベロシティがもたらす組織改革

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
関連リンク
SalesZine Day 2025 Winter連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

猪飼 綾(イカイ アヤ)

キクカク及びライティングユニットおたばぶのライターとして、IT・機械技術を中心に、ものづくりから飲食まで幅広い分野で取材・執筆。また、読者に愛されて、積極的かつ継続的な購買につながるファンマーケティングの観点から、オウンドメディアの運用支援やSNS運用など、Webマーケティング、ブランディング支援を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:イノーバ株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
SalesZine(セールスジン)
https://saleszine.jp/article/detail/6833 2025/04/04 11:00

Special Contents

AD

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング

年間スポンサー

AD