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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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大手企業への営業戦略と実践~持続的な事業成長に向けて~ 『エンタープライズセールス』出版記念イベント by SalesZine

2024年11月20日(水)15:00~17:10

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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営業改革事例

インサイドセールス導入で新規獲得率は3.5倍! マイナビ流「急がば回れ」の営業改革事例

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 人材ビジネスや生活情報事業など、多様な事業領域を展開するマイナビ。営業組織が強い同社では、広告メディア「マイナビニュース」や「マイナビウーマン」などを運営する、コンテンツメディア事業部においても一定規模の営業組織を持ち、広告代理店経由ではなく広告主に直接アプローチする営業手法を取っている。近年、フィールドセールスの属人化や、営業パーソンのリソース配分などの課題を有していた同事業部では、2019年の1月にインサイドセールスを立ち上げるなどの営業改革に取り組んでいる。組織変革の取り組みを牽引する同社のコンテンツメディア事業部 マーケティング戦略部 部長の齋藤美英さんと、インサイドセールス部門で課長を務める阪口聡士さんに「ITベンダーの成功事例にこだわらない営業改革」をうかがった。

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正攻法にこだわらず、三位一体で営業組織改革を推進

――まず最初におふたりのキャリアを教えてください。

齋藤 2007年、マイナビに中途で入社し、マイナビウーマン、マイナビニュース、大学生向けメディアの広告営業を担当していました。その後は営業推進や広告商品の開発、新規事業の立ち上げなどを経て、2019年1月よりコンテンツメディア事業部にてインサイドセールスチームの立ち上げを含めた、営業改革を推進しています。

阪口 私は新卒で2015年に入社し、マイナビニュースの広告営業を担当していました。1年めはBtoBソリューション領域、2年めからはBtoC企業である通信会社や証券会社、銀行などを担当しました。2020年8月からは、コンテンツメディア事業部でインサイドセールスチームのマネージャーを務めています。

 

――2019年にインサイドセールスの組織を立ち上げるに至った経緯を、当時抱えていた課題と併せて教えてください。

阪口 新卒入社してから5年が経ちますが、メディア部門の営業現場として感じていた課題が2点ありました。

 ひとつは、フィールドセールスの営業活動が属人化していたことです。1人ひとりが有するナレッジがブラックボックス化していました。ふたつめは、ひとりの営業が新規開拓からプランニング、レポーティングからフォローに至るまでの全工程を担っていたことです。当時社内では、これらすべての工程を完遂できて初めて独り立ち、という認識がありました。新人は新規開拓からスタートするのですが、受注ができないとその先の納品業務や継続提案ができず、結果として成長に時間がかかってしまう傾向にありました。加えて、100件新規営業をかけたところで、アポに至るのは10件ほどであるため、モチベーションの維持も課題でしたね。

 新規開拓が得意なメンバーもいれば、フォローアップが得意なメンバーもいて、なおかつ各フェーズの得手不得手は1人ひとり異なります。現場目線で、漠然と営業活動の質を標準化する必要性を感じていました。

齋藤 営業組織全体の課題としては、プロセスのすべてをフィールドセールスが担当する体制であったため、組織全体のリソース配分が偏ってしまっていた点も挙げられました。一例ですが、「新規顧客の獲得が一定量必要なタイミングでも、既存顧客対応のためリソースを十分に割けない」などですね。全員が各々で新規開拓を行うことにより、アプローチ先の分野が偏ってしまう傾向も見受けられました。

――営業改革を進めるにあたって、定めた「軸」を教えてください。

齋藤 ふたつの軸を設定しました。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスと3つの役割がある中で、全チームに同じKGIを設定したことがまずひとつ。そして、もうひとつは「望ましいSales Tech活用」として広く共有されるBtoB ITベンダーの成功事例に、最初はこだわらないことです。

 新しい営業手法が採用されたとしても、長年培ってきた営業のやり方に置き換えて導入された仕組み――これまでの否定のように取られるものは、その後の定着フェーズで苦戦する未来が見えていました。そのため、「正攻法にこだわらず、あくまでも自分たちの組織に合うかたちからスタートすること」はどのステップでも常に意識していました。

阪口 「とりあえず、アポの件数を達成できればOK」ではなく、あくまでも「アポ獲得」はビジネスサイクルの一部分であり、見据えるべきは「フィールドセールスと同じ最終的なゴール」であることも、どの議論においても意識していました。

 現場では、自分たちのやり方で成果が出してきた営業パーソンが多いため、一方的に新しいやり方を示したところで定着させるのが非常に難しい。そこで、組織全体の課題だけではなく、現場からマネージャーまでの各レイヤーごとの困りごとを尋ね、それらに寄り添いながら提案や仕組み化を進めていくコミュニケーションを実践していきました。

マイナビ コンテンツメディア事業本部 マーケティング戦略部 戦略推進2課 課長 阪口聡士さん

齋藤 新しい取り組みをスタートさせる際、どうしても現場側は「自分たち(営業)のやり方がよくないから新しい方法を取ろうとしているのか?」と感じてしまいます。ゆえに、仕組みの変革を成功させるうえでは「新しいインサイドセールスのチームは、今までのフィールドセールスの役に立つ存在だ」と、ポジティブな印象を抱いてもらうことが非常に重要であると考えていました。

 私自身、何年も営業・営業推進を経験し、制度や仕組みを変えようとする際に生じる「抵抗感」と「根付かせるうえでのハードルの高さ」をこの身をもって体験してきました。最初から思い切って大きな施策を打つことで、勢いよくスタートを切れるかもしれませんが、「急がば回れ」ということわざがあるように、「定着」を見据えた際には、皆の心理的ハードルを取り払ってからスモールステップで取り組みを進めていくほうが早いのではないかと思っています。

次のページ
事業拡大を妨げる「4つの課題」――なぜ「インサイドセールス」なのか

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この記事の著者

吉澤亨史(ヨシザワコウジ)

元自動車整備士。整備工場やガソリンスタンド所長などを経て、1996年にフリーランスライターとして独立。以後、雑誌やWebを中心に執筆活動を行う。パソコン、周辺機器、ソフトウェア、携帯電話、セキュリティ、エンタープライズ系など幅広い分野に対応。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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