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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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SalesZine Day 2025 Summer

2025年7月24日(木)13:00~18:20

図解でわかる! 共創型営業を実現するセールスイネーブルメント

サービス説明が9割のプレゼンでは、顧客は動かない──商談を“プロジェクトに変える”5つの鍵

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 営業組織を強化するための「仕組み」をつくる企業が増えてきています。一方で、その仕組みがなかなか大きな成果につながっていないと感じている組織も多いのではないでしょうか。本連載「図解でわかる! 共創型営業を実現するセールスイネーブルメント」では、スタートアップ4社で10億円以上の受注実績を持つグロース請負人・鈴木純太(ジェイ)さんが、実際に活用している「営業モジュール」を交えながら、成果につながるセールスイネーブルメントの手法を具体的に解説していきます。

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「火は灯せたのに燃え広がらない」──そんな停滞に覚えはありませんか?

「おっしゃるとおりです」「たしかにそれは重要ですね」──商談中、顧客は何度もうなずいてくれた。提案内容にも納得してくれて、その場ではたしかに火は灯せた。けれど、その火は燃え広がらない。次のアクションが生まれず、商談の熱は徐々に冷めていく。顧客の関心も理解もあるはずなのに、なぜか商談が“動き出さない”──そんな経験はありませんか?

 私自身、何度もこうした経験をしてきました。あるスタートアップ企業に対して、全力でプレゼンテーションを行ったときのこと。商談後にいただいたのは、「今日のプレゼン、今まで見てきた中で最高でした」という言葉でした。私はそれが本当に嬉しくて、営業として認められたような気がして、心から満足していたのを覚えています。

 しかし、数日後に届いたのは、「社内で検討した結果、今回は見送りで……」という一報。今振り返れば、その理由ははっきりしています。提案には手応えがあった。でも、その提案を「どう進めていくか」を一緒に描けていなかった。顧客にとっては、「良い話だった」で終わってしまったのです。どれだけ響いた提案でも、“次の一歩”が見えていなければ、商談は動かないという事実を痛感しました。

 前回記事では、そもそも返事が来ない「商談後ノーレス」のケースを扱いました。顧客の反応が不明瞭で、当事者意識が芽生える前にフェードアウトしてしまうケースです。今回扱うのは、「顧客は提案に理解を示し、関心も持っている。にもかかわらず、“商談が動き出さない”」という“もう一歩先”のケースの課題です。

サービス説明が9割の資料では、「商談」は動かない

 では、なぜ“前に進む筋道”が描かれていない商談が、これほど多く生まれてしまうのでしょうか? その背景には、営業という仕事に内在する思考のズレがあります。多くの営業が「提案で納得を得ること」までをゴールだと無意識に捉えてしまっているのです。

 実際には、初回商談はゴールではなく、スタートライン。どこから始め、誰を巻き込み、どうゴールに向かうかを共に設計する、営業の真価が問われる場なのです。こうしたズレが起こるのは、営業の評価構造や、日々扱っている提案フォーマットにも原因があります。

 提案はプレゼン力や資料の完成度で判断されやすく、「納得してもらえたかどうか」が成果とされがちです。その結果、「顧客がどう動けるか」よりも、「自分がどう説明できたか」に意識が偏ってしまう

 流通する営業の提案テンプレートでも、サービスの価値や導入メリットは丁寧に解説されていても、最後の「今後の進め方」はわずか1ページ、あるいは口頭説明のみで済まされているケースも多いです。提案そのものが“説明完結型”であり、“共創設計型”になっていないのです。

 商談が止まるのは、顧客の温度感が低いからではありません。営業が“スタートからゴールまでの設計”を共に描く視点を持っていないからなのです。商談を前に進めるためには、完璧な資料より、「自分たちがどう動けるか」が見える進め方が必要です。“今後の進め方”こそが、もっとも丁寧に、そして顧客ごとに設計されるべき提案の核となります。

 営業に求められるのは、「伝える人」から「共に設計する人」への進化です。そこで、ここからは、「共創プロジェクトの5つの鍵」をご紹介します。“商談の設計力”を誰でも実践できるように構造化した実践的なフレームです。

次のページ
商談を「一緒に動き出す場」へと進化させる 3つの鍵

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この記事の著者

株式会社StartPass 事業開発部 部長 鈴木純太(スズキ ジュンタ)

デザイナーからキャリアをスタート。27歳から営業をはじめ、KDDIグループのmedibaに売却した株式会社AppBroadCastで営業を担い、売却までの売上を牽引。その後、朝日新聞社アクセラレータープログラムでの営業講師など、スタートアップの営業を数多く支援。スタートアップ4社で10億円以上の受注実績を持つグロース請負人。株式会社RocketsでCSO(最高戦略責任者)を経て、現在は個人でスタートアップの営業支援をしなが...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/7278 2025/07/02 07:00

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