Salesforceユーザーの声を元に生まれた「Sheet」
――おふたりのお立場と、御社のビジネスについてお聞かせください。
冨田 経営全般とプロダクトマネージャーを兼務しています。マッシュマトリックスは、企業向けITシステムの使い勝手を良くし、生産性や効率を上げていく仕組みを提案していきたいという趣旨で設立した会社です。最近は主にSalesforceユーザーに対して、アドオン製品を開発し販売すると同時に、コンサルも手掛けています。私自身、元々はセールスフォース・ドットコムに在籍していまして、なおかつパートナーとしても10年以上実績があり、同社とのつながりは強いですね。
鈴木 私はマーケティングの企画・運営を担当しています。業務の際には自社製品の「Sheet」を使ってメルマガの効果を見たり、マーケティングから生じた商談管理をしたりしています。
――鈴木さん自身、Sheetのマーケティング担当でもあり、ユーザーでもあると。
鈴木 入社したときからSheetを導入したかたちでSalesforceを使っているのですが、使いづらさを感じたことはないですね。たとえば、マーケティングが実施したキャンペーンから商談が生まれ、1年後にまだ受注に至っていなくても、関係構築の期間が続き、3年後に成立することもあります。データを蓄積し、部門横断で可視化できているからこそ、マーケティング施策と営業活動の検証も容易に、しかも謎解きのように楽しくできています。私のようなシステムの専門家でなく、マーケティング未経験だった人間でも問題なく操作できますし、そんな環境で日々仕事をしているので、データを共有する営業やマーケティングが当たり前になっていますね。
――まさに誰でも使いこなせるというSheetの特徴を象徴するエピソードですが、製品開発のきっかけを教えてください。
冨田 セールスフォース・ドットコム在籍時に、製品を導入したお客様からいろいろな相談を受けることがありました。なかでも、もともとExcelにあるデータをSalesforceに移行する必要があるが、うまくいかずに運用が進まないという話が多かったのです。営業の現場は忙しいし、通常の仕事がある中でツールの使い方をマスターしてデータを移行・入力するとなると、担当者にかかる負担が大きい。そのため、なかなかデータが入力されずにSalesforceの運用がうまくいかず、導入しても宝の持ち腐れになってしまうと。そこで、Salesforceを使いこなしてもらうために、使い慣れたExcelのような使い方で誰もが容易にデータ入力でき、組織としてもうまく運用できるという製品をつくろうと思い至りました。