社内コミュニケーションツールからSales Techへ
――かんたんに自己紹介をお願いします。
新卒からIT業界にいて、ある国内IT企業でマーケティングという職種に出会いました。当社には2016年に入社し、デジタルマーケティングを担当していたのですが、そのころは設立間もないころだったので、先輩とふたりきりのチームで、デジタルマーケティング以外のことも幅広く行っていました。現在は市場開発のチームに所属し、新しい市場へ仕事用のLINE「LINE WORKS」を販売していくことに取り組んでいます。
――改めてLINE WORKSについて教えてください。
ひと言で言うとビジネス版のLINEですが、コンシューマー向けのLINEとはアプリケーション、アカウント形態、認証方法などすべて異なるものです。しかし、インターフェースはLINEを踏襲しているので、ふだん使っているLINEの操作性そのままに使えます。
――なぜ、市場開発のチームができたのでしょう。
使いやすいために、導入後社内での利用率も高くなることから、社内コミュニケーションのためだけでなく、3rdパーティのさまざまなソリューションと連携させ、LINE WORKSを外部ソリューションにアクセスするためのプラットフォームとして使う企業も増えてきました。社内に閉じない使いかたこそがLINE WORKSの必然性を際立たせるひとつの特徴になってきたのです。この観点での使いかたをフックにした新しいマーケットを開拓することが我々のミッションです。
そこで、BtoCの営業・販売活動にLINEを使うという、「Sales TechとしてのLINE WORKS」を提供することになったのですが、社内ツールとして活用するときとは異なる企業へアプローチする必要がありますし、対峙する購買部門もユーザーも予算も違うため、新たな戦略で取り組んでいくために、新しいチームが必要になりました。
――すでにBtoCの営業パーソンは、営業活動にLINEを使っているのでしょうか。
BtoCの営業パーソンを対象にした当社の独自調査によると、約3割の営業がLINEを使って顧客とやりとりしています。その3割の中の約5割はプライベートでも使っている個人のLINEでやりとりをしています。とくに生命保険、士業、美容、不動産、スポーツジム、アパレルなどの営業・販売の人たちはその傾向が強いです。
そのほかのコミュニケーションとしては電話やメール、対面などになりますが、タイミングが合わないとロスの時間も発生するので、営業も顧客もスムーズなやりとりを望みLINEを活用することになるようです。また、こちらも当社の調査になりますが、「ものを買うときやサービスを利用するときに営業担当者とLINEを使ってやりとりをしたいか?」という問いに対して約3割の顧客が「使いたい」と答えています。どちらでもないというニュートラルな層が5割、使いたくない層が2割です。ただ使いたくない層でも、社用のLINE、つまりLINE WORKSであれば「嫌悪感が消える」という人が20%ほどいることがわかっています。