UPWARDは、外回り営業における滞在検知の精度を向上させる独自技術「Elastic Geofence AI」を開発し、特許を出願したことを発表した。
営業支援モバイルアプリ「UPWARD」に搭載される同技術は、滞在先周辺の地理空間情報と営業担当者の活動した位置情報をAIが学習し、滞在検知を個別最適化することで、より快適なUX(ユーザー体験)の提供を目指す。

概要
UPWARDはこれまでも、訪問先の周囲にジオフェンス(仮想の地理的境界線)を設け、出入りを検知することで滞在を自動記録する技術を提供してきた。この技術により、営業担当者は顧客を検索することなく、自動で検知された位置情報を基に、モバイルから活動報告を行うことができる。
移動を検知したときのみジオフェンスを展開し、滞在判断時のみアプリを起動することで、端末のバッテリー消費や通信量を最小限に抑える仕組みとなっており、営業現場での使いやすさと端末への負荷低減の両立を可能にする。
しかし、ジオフェンスの中心や半径が固定されていた従来の技術では、実際の敷地面積・密集度や訪問パターンによって、手動での修正が必要になる場面があった。
- 敷地の広い施設で、実際に滞在していても検知されない
- 都市部など施設が密集したエリアで、検知が重複してしまう
こうした検知のズレや重複を解消し、さらなるUXの改善を図るために、UPWARDはElastic Geofence AIを開発した。


同技術では、ユーザーが活動した位置情報履歴と地理空間情報をAIが学習し、営業スタイルや担当者の訪問パターンに応じて、ジオフェンスの中心と大きさをユーザーごとに最適化できる。これにより、「いつ・どこで・どれくらい滞在したか」という活動情報が、実態に即してより正確に自動記録されるようになる。日報作成時の現場のデータ入力負荷を最小化しながら、日々の顧客接点を活用可能なデータとして蓄積できる仕組みが可能になる。
特許出願の概要
- 特願番号:特願2025-113882
- 出願日:令和7年7月4日
- 発明の名称:情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システム
UPWARD 執行役員 CTO 門畑 顕博氏のコメント
今回出願した特許技術により、地理空間におけるXY軸での滞在検知精度が飛躍的に向上することが期待されます。地理空間情報とAIを掛け合わせることで、世界最高水準の滞在検知精度を目指していきます。
今後は建物内のフロアや部屋の違いまで把握できる屋内測位技術への投資も積極的に進め、さらなる高精度化を図る方針です。こうした取り組みにより、フィールドセールス活動のAI Agent化を目指してまいります。