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SalesZine Day 2025 Summer

2025年7月24日(木)13:00~18:20

若手の伸びる力を育む 「セルフコーチング」のすゝめ

「ありがとうございます」は万能ではない? 育成側も知っておきたい“お客様に嫌われる言葉”

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 新年度となりました。新人営業の受け入れ、育成は事業・企業の成長のためにも不可欠です。一方で、多くのマネージャー、先輩社員は自身の業務に加えて育成を行うことになります。「OJTの時間がたっぷりとれない」「今どきの若手をどう教育するべきかわからない」「自律的に学習する習慣を身につけてほしい」……育成に関する悩みが尽きることはないでしょう。そこで、本連載では若手が自ら伸びていくための「セルフコーチング」について、その必要性と定着の方法を解説していきます。

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「言葉のTPO」を意識できていますか?

 新入社員研修が終わると、営業やカスタマーサクセスの現場にデビューする企業もあることでしょう。この時期に、マネージャーや先輩社員として気になるのが「お客様とのコミュニケーション、ちゃんとできているかな?」という点。

 一斉研修で言葉づかいについてしっかり学び、現場のマニュアルやトークスクリプトを頭に入れたはずなのに、お客様からの反応が今ひとつ。そんな場面に直面したマネージャーや先輩社員も多いのではないでしょうか。その原因は、「言葉のTPO」かもしれません。

 新人がもっとも気をつけるべきなのは、学んだ言葉を適切な場面かつ、適切な意味を伝える用途で用いること。その点をおろそかにしてしまうと、ビジネスでよく使われる言い回しでも、相手に違和感を与えてしまうことがあるのです。

 今回は、実は「お客様に嫌われるかもしれないキーワード」に注目してみましょう。

「ありがとうございます」は万能じゃない?

 ビジネスの基本中の基本とも言える「ありがとうございます」。感謝の気持ちを伝えることは大切で、ビジネスコミュニケーションにおいてもっとも多く使われる言葉です。「ありがとうございます」は一見、どこで誰にどのように伝えても万能と思いがちですが、使うタイミングや使い方を間違えると、逆効果になることもあるのです。

 たとえば、

  • 質問に対する回答の枕詞が「ありがとうございます」
  • お客様からのクレームに対して「ありがとうございます」
  • コミュニケーション上の誤解について指摘を受けているのに「ありがとうございます」
  • とくに意味がなく語尾のように使っている「ありがとうございます」

 このように、どんな場面でも反射的に「ありがとうございます」と言ってしまうと、「ありがとうございます」の価値が損なわれてしまい、逆に「誠意が感じられない」「自分の話を聞いて、きちんと理解してくれていないのでは?」と受け取られてしまうことがあります。

 こんなことはありませんか。

「うちの会社では●●、××といった点が課題なんだよね」と、お客様の課題や実情をお話しいただいた際、 「ありがとうございます」と言ってしまう。

 TPOを考える際は、「言葉づかいの丁寧さ」をいったん横に置き、友達との会話だったらどうだろうか? と想像してみましょう。「私、今、●●、××に困ってるんだよね」と話してくれたことに対し、「ありがとう」と感謝するでしょうか?

 たとえば「話しにくいことを、勇気を出してわざわざ私に打ち明けてくれてありがとう」といったように「何に対して」の「ありがとう」かがはっきりわかる「ありがとう」であればTPOとして適切です。

 ビジネスコミュニケーションにおいても、相手に共感したうえで「そんなに大切なことを、心を開いてお話しくださって、本当にありがとうございます」と真意をお伝えできるならばもちろん大丈夫です。ただ、きちんと理解できていない状況の中で、「ありがとうございます」というひと言だけを挟んでしまうと、お客様の話のストーリーの流れを止めてしまい、ぎこちない感じにも受け取れるのではないでしょうか。

 共感を示す相づちを打って一呼吸置いてから、「ちなみに、それはいつからなのですか?」などとさらに深く掘り下げる質問を付け加えてみると、相手の話を遮らずに長く話してもらい、会話内容を深堀することが可能です。お客様からの信頼を高めつつ、効果的にヒアリングを進めていきましょう。

【ポイント】

「ありがとうございます」のかわりに、「ご指摘いただき助かります」「教えていただいて勉強になりました」など、状況に応じて気持ちが伝わる言葉に言いかえてみましょう。先輩のトークを録音・録画して、先輩のトークとお客様の反応をセットで確認することにより「どんな言い回しで効果的なヒアリングにつながっているのか」を見つけてまねしてみるのも効果的です。

次のページ
「承知しました」「かしこまりました」は必要?

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この記事の著者

株式会社RevComm プロダクトマネージャー 中村有輝士(ナカムラ ユキノリ)

BPOコールセンターに10年間勤務。オペレーター、スーパーバイザー、マネージャー、営業など一通りの業務を経験。その後、外資の証券会社で、日本にある営業部門とシンガポールにあるカスタマー部門をマネジメント。 2020年7月よりRevCommに参画し、カスタマーサクセスのマネージャーを経て、コールセンタ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/7164 2025/06/04 07:00

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