不確実性が増すからこそ、「真っ当に」生きよう
渡邊 本音が見えてきたところで、最後のテーマとして、「営業職のキャリア戦略」についてうかがっていきたいです。
梅田 とても難しいテーマですよね。キャリア戦略にはふたつの論点があるからです。
ひとつめはいわゆるキャリアアップで、「給料を上げる」「高い役職に就く」など、資本主義の中で勝つみたいな、そういう観点でのキャリア戦略。もうひとつは、キャリアとは「自分らしくある」とか、「自分のあるべき姿を体現するべきものだ」という考え方。
ただ、AI時代の今、どちらに対しても言えるのは、「キャリアで致命傷を負わないことが大事」ということです。
渡邊 詳しくうかがいたいです。
梅田 AIのニュースを追うのがしんどくなってくるほどに日々大きな変化がありますよね。3年後、私含めて、ここにいる全員の仕事がなくなっている可能性もあります。
では、そこで致命傷を負わないってどういうことなの? というと、常に会社の外を見渡し続けることだと思うんです。最近、月に20回くらい会食に出かけているのですが、そうすると、外部の知識と、あとは好きな言葉ではないのですが、「人脈」を持ち続けることができます。それが、セーフティーネットになる時代なのではないでしょうか。
自社の業務がすべて吹っ飛んでしまうようなテクノロジーが出てきたときに、自社に最適化されたやり方しか知らない、人脈も自社にしかないとなると、危険なのではないかと。私の立場上、転職を促す悪徳エージェントみたいに聞こえてしまうかもしれないですが(笑)、転職を促したいわけではないです。常に危険を察知できる状態にあることが大事です。とくに40~50代の転職は、リファラルが決め手になることが多いですから。

三浦 ちなみに私は昨日で42歳になりました。結果的に良いキャリアを歩んで来られたのではないかという立場からお話しさせてください。
私は転職を4回して、年収はそのたびに200万ダウンしています。上げた給料を下げてでも、やりたいことに挑戦し、新しいスキルを得ることは得だと思っていたからです。 「短期的なキャリアアップ」に騙されて、成果を出せない場所にいってしまうのは危険だと思いますね。選択肢がたくさんあることは、この時代にはとくにアドバンテージになるはずです。
仕事をする際の、OK・NGラインを言語化しておくこともおすすめです。私が新卒のころから決めているのは、人としてやってはいけないような間違った指示をしてくる上司がいたら、ぶちぎれて辞められるような人であろうということ。目の前の仕事に向き合ってスキルを身につけ、信念を持って働いている人は、そういったシーンでただ従うようなことにならないと思うからです。
梅田さんから人脈の話がありましたが、「応援される」こともキャリアにおいて重要です。やっぱり、不義理をすると仕事はなくなります。ちょっと嫌な上司だとしても、その人も上司の役割を全うしているだけのこともあります。辞めるときもきちんと義理を果たすこと。先ほどのOK・NGの話にも通じますが、要は真っ当に生きましょう。
渡邊 私自身、コーチングのサービスを提供しているのですが、キャリアについて周囲の意見も吸収しつつ、「自分で決めて、やりきる」ことの重要性をあらためて感じました。おふたりとも、本日はありがとうございました!
