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SalesZine Day 2026 Winter

2026年1月27日(火)13時~18時40分

「仮説思考」を営業組織にインストールせよ!

【営業マネージャー必見】商談中の「対話」を標準化し、チームの再現性を最大化する実践ステップ

初回商談を“突破”させる対話型コミュニケーションの型化 後編

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「資料は完璧なのに、提案が顧客に刺さらない」という課題を抱える営業組織は少なくありません。成果を安定させるには、会話の質を高め、再現性のある「型」として組織に浸透させることが不可欠です。本稿では、実際に成果を上げている企業の取り組みに基づき、「対話の型」を構築し、組織全体に定着させるための5つのステップを解説します。

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商談における「会話力」を標準化し、突破率を上げる5ステップ

前回記事【第6回】

 前回記事では、初回商談の突破率が上がらない営業組織の共通点として「資料は整っているのに、会話が整っていない」という課題を紹介しました。

 資料では仮説を示せていても、会話が深まらなければ顧客の本音にたどりつけず、結果として提案が刺さらないまま商談が終わってしまう──これは、多くの企業が直面している典型的な問題です。

 では、商談における「会話の質」を高め、それを組織内で再現できるレベルにまで標準化するには、どうすれば良いのでしょうか。本稿では、実際に成果を上げている企業の取り組みをベースに、誰でも実行できる5つのステップを紹介します。

ステップ1:録画と文字起こしで「会話」を可視化する

 対話型コミュニケーションの型づくりは、商談を“見える化”することから始まります。そのためのもっとも手軽な方法が、商談の録画と文字起こしです。

 オンライン商談が主流となった今、ボタンひとつで誰でも簡単に録画できるようになりました。さらに、録画データを文字起こしするツールの精度も、数年前とは比べものにならないほど向上しています。営業の会話を客観的に“見える化”できる環境が、ようやく整ってきたと言えます。

 実際に文字起こしをしてみると、「こんなに偏っていたのか」と驚くほど、商談の実態がはっきりと浮かび上がります。

 たとえば、

  • 営業ばかりが長時間話してしまっている
  • お客様の発言に対して十分に深掘りできていない
  • 顧客の質問の意図を正確に把握せず、自分の都合で解釈して回答してしまう

といった、記憶だけでは気づきにくい“構造的なズレ”が、会話ログを見ることで初めて明確になるのです。

ステップ2:継続的に売上を上げているメンバーの対話比率を分析する

 次に、継続的に売上を上げているメンバーの商談を対象に、対話の傾向を可視化します。

 理想を言えば、全メンバーの商談を細かく分析したいところですが、多忙な営業マネージャーがそれを実現するのは現実的ではありません。そこで役に立つのが、AIによる対話比率分析です。

 録画や文字起こしデータをAIに読み込ませることで、営業と顧客がそれぞれどれくらい話しているのかを客観的に把握できます。とくに、継続的に成果を出している営業の会話を分析すると、次のような共通した特徴が見えてきます。

トップセールスの対話比率の目安

「営業:顧客 = 6:4」

 この「6:4」という比率は、顧客が自分の課題や状況を自然に話しやすくなる“余白”が十分に確保されている状態を示しています。説明過多でもなく、ただ聞き手に徹しているわけでもない──。仮説提案を起点にしながら、顧客の背景や意図を丁寧に引き出すことができる人は、結果的にこの比率に近づいていくのです。

 忙しいマネージャーであっても、この対話比率を見るだけで「誰の商談が理想に近いのか」を短時間で把握できます。AIを活用して会話の質を“定量化”することは、対話型コミュニケーションの型づくりを効率的に進めるうえで非常に重要なプロセスです。

次のページ
ステップ3:対話バランスの良いベンチマーク営業を3名選定し、「フレーズ集」を作成する

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この記事の著者

株式会社JOENパートナーズ代表取締役/営業コンサルタント 城野えん(ジョウノエン)

慶應義塾大学商学部卒業後、グローバルIT企業に営業職として入社。新卒2年目に新製品受件数1位を達成。社内最年少でシンガポール駐在員となり、東南アジア地域でのパートナー企業開拓や新規顧客開拓を担当。国内外で、ニーズが顕在化していない顧客からの大型受注を次々と獲得した自身の提案営業のノウハウを、誰でも再...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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