パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、20~59歳のビジネスパーソン15,000人を対象に、出世の希望やその理由を調査し、その結果を発表した。

「いまの会社で出世したくない」と思った人は58.5%

ビジネスパーソン15,000人のうち非管理職に、「いまの会社で出世したいか」について聞いたところ、「出世したい」8.6%、「どちらかといえば出世したい」24.3%、「どちらかといえば出世したくない」25.0%、「出世したくない」33.5%となった。
「出世したい」「どちらかといえば出世したい」の回答割合を合わせると32.9%、一方で「出世したくない」「どちらかといえば出世したくない」の合計は58.5%で、半数を超える結果となった。
【年代別】20代がもっとも出世意欲が高く、年代が上がるほど“出世をしたくない”の割合が増加

出世意向を年代別に見ると、「出世したい」「どちらかといえば出世したい」を合わせた割合は、20代46.3%、30代36.1%、40代30.9%、50代20.8%だった。一方、「出世したくない」「どちらかといえば出世したくない」を合わせた割合は、20代47.9%、30代55.8%、40代60.8%、50代67.5%となった。
20代では出世したい人と出世したくない人の割合が同程度だったが、年代が上がるにつれて、出世したくないと考える人の割合が増える傾向が明らかになった。
いまの会社で出世したくない理由:最多は「リーダーシップやマネジメントが苦手だから」(35.3%)

「出世したくない」または「どちらかといえば出世したくない」と回答した人に、その理由を聞いたところ、もっとも多かったのは「リーダーシップやマネジメントが苦手だから」(35.3%)だった。次いで「新しい責任を負うことに不安を感じるから」(35.2%)、「高いプレッシャーやストレスに耐えられないから」(34.2%)、「上司や管理職の仕事が魅力的に感じられないから」(32.3%)、「上司としての責任を負いたくないから」(30.2%)、「プライベートの時間が犠牲になるイメージがあるから」(29.1%)などが主な理由として挙がった。

年代別に見ると、20代は「上司としての責任を負いたくないから」(42.9%)、30代は「リーダーシップやマネジメントが苦手だから」(38.4%)、40代は「高いプレッシャーやストレスに耐えられないから」(36.3%)、50代は「上司や管理職の仕事が魅力的に感じられないから」(32.9%)となり、年代ごとに出世したくない主な理由は異なる結果となった。
また、20代から50代のいずれの年代にも突出して多い理由は見られなかったが、20代の「上司としての責任を負いたくないから」(42.9%)は、他年代より高い傾向にあることがわかった。
出世しないという選択に対する心配事:最多は「収入面の待遇向上が見込めない」(37.8%)

出世をしないという選択をした場合の不安として、もっとも多かったのは「収入面の待遇向上が見込めない」(37.8%)だった。次いで「やる気がないのではと思われる」(16.4%)、「仕事の成果が正当に評価されなくなる」(11.5%)となった。
出世したことで変わったこと・よかったこと

出世した人(現在役職に就いている人)に、出世後に変化したことを聞いたところ、もっとも多かったのは「仕事に対する責任」(49.1%)だった。次に「仕事の役割(業務→マネジメント業務)」(41.5%)、「ストレスやプレッシャー」(39.2%)が続く。出世によって仕事内容やはたらき方に変化を感じていることが読み取れるが、とくに役職に就くことで組織運営への関与が深まっている様子がうかがえる。
また、役職に就いてよかったこととしては、「給与や報酬が増えた」(43.3%)が突出しており、2位以降を引き離してトップになった。次いで「リーダーシップやマネジメントスキルが向上した」(17.9%)と「ネットワーク(人脈)が広がった」(16.4%)となった。
さらに、「自分の意見やアイデアが反映されやすくなった」(14.4%)、「重要な意思決定に関与できるようになった」(14.4%)など、影響力の拡大に関する回答もある、出世がキャリア形成だけでなくスキルアップや仕事の進めやすさにも影響を与えていることがわかった。
【調査概要】
対象者:20~59歳の男女
雇用形態:正社員
調査方法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースをもとに実施、doda会員登録の状況については不問)
実施期間:2025年8月1~8日
有効回答数:15,000件
※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施
※記事中の割合データは、小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%にならない場合がある
