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SalesZine & Beyond 2025

2025年10月23日(木)12:30~17:45

AIで“営業の常識”が変わる! 営業×AI最前線

社内版ChatGPT導入後2ヵ月で売上約3,000万円増!現場主導の「市民開発」が生んだ自走する組織

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書類作成工数80%削減!「AIを使わざるを得ない環境」のつくり方

──現場主導での活用が進む中で、具体的にどのような業務で効果が出ているのでしょうか。

活用は幅広く行われていますが、大きな流れはふたつあります。ひとつは「業務効率化」を図る活用です。たとえば書類作成など、「一定の付加価値をクオリティ高くスピーディーに作成できる業務」について、AIによる代替を進めています。    

具体的な成果として、キャリアアドバイザーが企業に送付する推薦状や、お客様の職務経歴書のベース案の作成といった書類業務の工数を、約80%削減することができました。

削減できた時間は、お客様との会話など、本来注力すべき営業活動に充てることができています。その結果、この取り組みを中心に行った2部門において、売り上げが2ヵ月で約3,000万円向上しました。これは年間で換算すると、約1億8,000万円の経済効果を生み出すものと試算しています。

もうひとつが「生産性向上」を目的とした活用で、これまで人間だけでは手が届きづらかった部分をAIで補完しています。たとえば、お客様との面談準備において「こういうトークをしよう」「こういう方向でアプローチしよう」といった想定問答集をつくったり、お客様への提案の深さ・網羅性を高めたりするために使っています。 

──ChatPCA導入後、社員のモチベーションや感度はどのように変化しましたか。

社員からは「ChatPCAがないと仕事ができない」という声が上がるほど、感度は高まっています。また、プロンプト作成の資格制度とも相まって、新しいプロダクトが導入された際にも、「様子見」ではなく「自分たちで使いこなしていきたい」と前のめりになる風土が根づいたと感じています。

──AI活用というと、若手社員やデジタルネイティブな社員が中心になりがちですが、ベテラン層の反応はいかがでしたか。

当初は、すでに独自の「型」を持っているベテラン社員ほど、「ChatPCA」に対して懐疑的でした。

一方で、若手や新人といった業務経験の浅い社員ほど、「自分でやるより早い」と感じて積極的に使い始めたんです。さらに、中途入社向けの初等教育カリキュラムに生成AIの活用方法が組み込まれたことで、新しいメンバーは最初からAIを使うのが当たり前の環境になりました

こうした変化の中、ベテランの方々も、若手営業がつくったプロンプトを試してみることで「あれ? 自分でやるよりも早く良いものができるぞ」と感じるようになっていきました。それに加えて、周りが積極的に使っている状況と、上層部からの活用推奨が重なり、まるでオセロの色が変わっていくように、組織全体へと徐々に浸透が進んでいったのです。

──社員が抵抗なく生成AIを使えるよう、行っている工夫があれば教えてください。

たとえば、Teamsのチャットや朝会、メールなど、日常的に使っているあらゆるチャネルで、良いプロンプトとその活用事例が共有されまくる仕組みをつくっています。これにより「使わざるを得ない」というような状況が生まれていると思います。

また、ある業務フェーズで「このプロンプトがベスト」と決まった場合は、そのプロンプトをライブラリにセットすることで、「一歩踏み出せばすぐに使える」ようにし、使う側の手間を徹底的に減らしています。

次のページ
「AI活用のベストプラクティス」を広げ、組織全体の成果向上へ

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮地真里衣(セールスジンヘンシュウブ ミヤジマリイ)

2018年に中央大学を卒業後、1年半営業職として従事。2019年秋に編集職へ転身し、広告編集プロダクションにてビジネス系ウェブメディア、ファッション誌、週刊誌などの記事広告や販促物の企画・編集に携わる。2022年11月~翔泳社 SalesZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/7752 2025/11/14 08:30

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