パートナーとの「ビジョン共有」の重要性
──「提携したけれど、パートナー企業が売ってくれない」という課題を抱える企業は少なくありません。この課題に対して御社はどのように対応していますか。
無理強いをしても、現場はなかなか動きません。それは、現場のモチベーションやインセンティブが乏しいためです。私たちは、パートナーに対し「ラクスの商材を扱うことで、収益だけでなく、“DXの知見を持っているパートナー”として顧客から信頼される」という、収益以外の動機づけも行っています。
そして、私たちがとくに意識しているのは「パートナーにとって良いこと=エンドユーザーにとって良いこと」という構図を徹底することです。当社の商材を扱うことで、エンドユーザーの満足度が高まり、それがパートナーの収益につながるという成功体験を積み重ねてもらうことが重要だと考えています。
そこで大切なのが、協業の最初の段階でビジョンを共有することです。たとえば、「ラクスはお客様に寄り添い続けます。その結果、業務課題を解決し、より良い社会を築きます」といった世界観を、パートナーと共有するのです。
こうしたビジョンの共有をどこまでできるかが鍵です。最近では、ビジョンの共有が成功した好事例を別の地域にも横展開しながら、地域に合わせてカスタマイズする好循環も生まれています。
次なる課題は「全体戦略と局地戦のバランス」
──地方戦略を通じて目指す、今後の展望をお聞かせください。

私自身が地方出身であるため、地方の生産性向上や社会課題の深刻さを肌で感じています。地方戦略の成功は、当社の企業規模拡大だけでなく、日本の生産性向上に貢献するものだと確信しています。
もちろん、この地方戦略はまだ道半ばだと認識しています。すべての顧客やすべてのパートナーに対して、私たちがトップオブマインド、つまりいちばんに想起される会社になっているかというと、必ずしもそうではありません。認知度や商材の売りやすさはご認識いただいていますが、競合も出てきており、その時々の局地戦になると全勝できているわけではありません。
そこで現在、私たちは組織の課題に真摯に向き合っています。これまでは拠点ごとに活動がバラバラになりがちでしたが、横串を通す全体戦略の実行と、各地域での活動を両立させるバランスが非常に重要だと考えています。
このバランスが取れなければ、全体戦略だけでは絵に描いた餅になり、現場は部分最適に陥ってしまいます。このバランスの重要性は、ここ2年ほどの試行錯誤を通じて明確に見えてきたものであり、現在、組織改革も進めているところです。

当社の最終的な目標は「ITサービスで企業の成長を継続的に支援し、日本を代表する企業になること」です。その実現に向けた取り組みの中核として、これからもこのパートナービジネスを拡大させていきたいと思っています。
──戦略と現場のギャップを埋めるために、組織改革にまで踏み込んでいる御社の本気度が、地方創生という大きなビジョンに直結していることが伝わってきました。今後の展開も楽しみです。本日はありがとうございました!

 
              
               
              
               
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                  
                   
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                  
                 
                      
                       
                      
                       
                      
                      