金融機関×SaaSのタッグで、新たな価値の提供に挑戦
──三菱UFJ銀行がパートナービジネスで目指すビジョンについて教えてください。
林(三菱UFJ銀行) 三菱UFJ銀行は「世界が進むチカラになる。」というパーパスを掲げていますが、これはお客様の経営課題をひとつずつ解決することから始まります。「ファイナンス×テクノロジー」、いわゆるFinTech(フィンテック)の規制緩和が進み、新たなサービスや技術が生まれる中で「従来のやり方で、お客様が求める価値を提供し続けられるだろうか」と考えていました。
その中でパーパスを共有できる企業とタッグを組み、新たな価値やサービスを提供していくことは、多種多様な価値が次々と生まれている現代ビジネスの必然の流れとも言えます。今回のLayerXさんとのアライアンスは、そうした時代の流れも感じています。

株式会社三菱UFJ銀行 決済企画部 業務戦略グループ 次長 林博之さん
入行以来、銀行業務のほか、証券会社や事業会社などへの出向を経て、現在は責任者として、FinTech企業など他社とのパートナービジネスに注力。中小企業へのファイナンスサービスの新規創出も担う。
──一方、LayerXのパートナービジネスでは、どのようなビジョンを目指しているのでしょうか。
鈴木(LayerX) LayerXは「すべての経済活動を、デジタル化する」というミッションを掲げています。その中でパートナーアライアンス部では「パートナーとワンチームとなり、最適迅速な商流で、サービス価値を届け切る」ことを大切にしており、この部分が三菱UFJ銀行さんの思いと合致したと考えています。バクラク事業をスタートさせたときから「銀行のニーズにマッチするだろう」と考えていましたから、その第一歩として三菱UFJ銀行さんとタッグを組めたのは幸いでした。
──三菱UFJ銀行内にLayerXの出向者を受け入れるなど、“紹介”を超えた「バクラク for MUFG」の営業活動を開始しています。これまでにない形での連携に挑戦した狙いを教えてください。

9年にわたり法人営業に従事。外部出向では、ブロックチェーン技術を使った新ビジネス開発に従事。決済企画部では、外部企業とのアライアンス推進に取り組み、銀行だけではできない新たな価値提供を図る。
岩崎(三菱UFJ銀行) お客様へ価値を提供し続けるには、お客様のDXにもう一歩踏み込んでいかなければなりません。そのためには、お客様のニーズをもとに受動的に他社のSaaS商材を“紹介”するだけでなく、お客様の課題を掘り起こして能動的にアプローチしていく必要があります。そうした課題感から、LayerXさんのメンバーに出向もしていただき、“紹介”を越えた営業体制に挑戦しました。