Handbookで賢く確実にセールス・イネーブルメントの効果を得る
「セールスコンテンツの管理、配信、分析機能」と「トレーニングの実施機能」のふたつを兼ね備えたツールとして松浦氏が提案するのが「Handbook」だ。モバイル端末向けのコンテンツ管理システムとして今年で10年目を迎え、導入実績は1,500件を超える。電子マニュアルやペーパーレス会議などに役立てられることもあるが、約7割のユーザーがセールス・イネーブルメントに関連した分野でHandbookを使っているという。
PC上のウェブブラウザでセールスコンテンツを登録すれば、現場の営業担当者が手持ちのデバイスで顧客にそのコンテンツを見せることができる。また、各営業担当者がコンテンツを星の数で評価したり、「使いにくい」「ここを改善してほしい」というフィードバックを管理者に届けたりすることができる。さらに、いつ誰がどんなコンテンツを参照しているのかを管理者が閲覧分析できる機能も搭載されている。コンテンツの管理に特化したツールならではの機能に加え、グッドデザイン賞を受賞したユーザーフレンドリーなUIも現場に定着している理由のひとつだ。
ここからは、Handbookを実際に導入して効果を得た企業の事例が紹介された。
セールスコンテンツの配信効率化と管理を行うためにHandbookを導入した東海東京証券。導入後は営業準備の工数が削減されたり、常に最新版のコンテンツを閲覧できたりと効果を実感した。また、社内向けセミナーの動画配信にもHandbookを活用し、若手育成のトレーニングコンテンツ作成にも役立っているという。
富士電機機器制御では提案資料を支店ごと、担当者ごとに作成するなど、営業活動の属人化が課題だった。「誰でも80点をとれる営業の実現」をテーマに掲げてHandbookを導入したところ、セールスコンテンツが統一されたことにより営業担当者の提案力が全体的に向上したという。今日紹介したマイクロラーニングのコンテンツ配信も行っている。
神奈川トヨタ自動車はある店舗でショールームにHandbookを導入し、待ち時間に顧客が自動ブレーキの動画などを見られるようにしたところ、新車の受注台数が大幅に伸びた。同様の取り組みがほかの店舗にも横展開されたという。
全国拠点で健康食品の販売を行うサン・クロレラ販売。コンテンツのアクセス状況をグラフ化できるHandbookの機能を活かし、新規獲得件数上位の営業担当者がどのセールスコンテンツを使って成績を伸ばしているのかを可視化したところ、製造工程を説明する動画コンテンツがもっとも見られていたことがわかった。
動画で製品の品質をアピールして売上につなげるという営業スタイルを全国の営業所に展開し、組織的な商談スキルの向上を目指した同社の取り組みを松浦氏は「これこそが、セールス・イネーブルメントの好事例」と評した。
さいごに松浦氏はセールス・イネーブルメントにおける継続の重要性を強調し、セッションを締めくくった。
「セールス・イネーブルメントが目指すのは、セールスコンテンツを拡充し、トレーニングを繰り返すことで、売れる営業ノウハウを一般化し組織に定着させること。つまりチームを活性化させ、営業力を底上げすることです。それには繰り返し、そして継続していくことが非常に重要です。ツールを上手く活用すれば早く成果が得られるでしょう」