データドリブンな組織へ、失敗から学んだ教訓
──組織としての成長に向けた取り組みについて教えてください。
現在注力しているのが、データドリブンなアプローチの確立です。これまでのパートナーセールスの世界では、「スーパーセールス」と呼ばれる方の勘と経験による成功例が語られることが多かったのですが、それでは再現性のある成功モデルをつくることができません。
そこで、セールス活動の可視化を進め、どのような行動がどんな成果につながるのかを定量的に分析しています。とくにエンタープライズ領域では、ブラックボックス化されやすい部分も多いのですが、それを科学的なアプローチで解明していくことが重要だと考えています。
──これまでの経験から、失敗から学んだことはありますか。
典型的な失敗例として、知名度やブランドがある企業との提携に関する話が盛り上がり過ぎてしまうケースがあります。表面的な提携やリリースを急ぐあまり、本質的な価値創造ができていないことがありました。
重要なのは、パートナー企業の得意領域と我々の製品がしっかりとマッチしているかどうかです。我々が直販で市場での成功(PMF)を確認できている製品であれば、パートナー企業での展開もスムーズです。一方、新規サービスはまだ市場での価値が十分に検証できていないため、パートナー展開のタイミングは慎重に見極める必要があります。
もうひとつ重要な学びは、時間軸についてです。パートナービジネスは「長距離走」だと考えています。我々は早期の成果を求めがちですが、パートナー企業にはそれぞれの時間軸があり、それに合わせていく必要があります。
たとえば、現時点では新しいサービスを扱う余裕がないパートナー企業でも、そのタイミングが来たときに最初に声をかけてもらえる存在になることが重要です。そのために適切な距離感でKeep in touchを続けることを心がけています。
──最後に、パートナーセールスに取り組む企業へのメッセージをお願いします。
マネーフォワードは素晴らしい成功を収めているように見えるかもしれませんが、実際には多くの失敗を経験してきました。その中で大切にしている価値観が、「変化をおそれない企業のための進化しつづけるERP」という「マネーフォワード クラウドERP」のプロダクトビジョンです。
変化を恐れず挑戦を続け、その中から最適解を見つけていく。このアプローチは、パートナーセールスに限らずどんな仕事でも重要です。また、パートナー企業選びにおいても、同じように変化と挑戦を恐れない企業との協業を心がけています。ぜひ機会があれば、そんな私たちの取り組みにご注目ください。
──ありがとうございました!
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