生成AIによる恩恵は「セールスプロセスの最適化」
2023年、世界は「生成AI」の登場により衝撃を受けた。これからのビジネスを考えるうえで、生成AI活用は避けては通れない。しかしセレブリックス営業総合研究所の調査によれば、日常的に生成AIを活用している営業組織はわずか11.0%。いまだ利用が進んでいないのが現状だ。
『The Intelligent Sales AIを活用した最速・最良でクリエイティブな営業プロセス』(今井晶也 著、翔泳社)は、今井氏と生成AIの衝撃的な出会いから始まる。今井氏が在籍するセレブリックスが26年間、1万2,000種類以上の商材を経て培った営業ノウハウを、生成AIはいともかんたんにアウトプットしたという。今井氏は「生成AIを活用する営業新時代」(p7)の到来を確信した。
営業支援会社の誇りと使命を胸に、生成AIを活用して営業活動やセールスプロセスの支援をするべきだと「肚決め」しました。(p9)
その決断と活動を1冊に凝縮したのが本書だ。本書では、生成AIを取り入れた営業活動を「インテリジェントセールス」と呼ぶ。
「特に法人営業・新規営業において成果を出すためには、セールスプロセスを最適化することが必要です」(p48)と今井氏。営業が生成AIを活用するメリットを次のように語る。
営業が生成AIを活用するメリットは(中略)セールスプロセスにおける「間違ったこと」「時間がかかること」といった、負の要素を減らすことに貢献することです。(中略)もちろん、営業活動における「負」が減れば減るほど、結果として業績が向上するのはいうまでもありません。(p50)
本書では、セールスプロセスの中で生成AIがもたらす「恩恵」について、具体的なシチュエーションとともに解説している。
答えを選ぶ責任はヒトにある 経験や美意識によって決断を
生成AIは万能ではない。質問(プロンプト)次第で誤った答えを出すこともある。そのとき営業は「過去の経験や美意識、善悪の基準をもって、最後は直感を頼って決断」(p251)しなければならない。生成AIが出した答えを選ぶ責任はヒトにあるのだ。
さらに今井氏は「生成AIはすべての『営業職』で求められるかといえば、そうではない」(p255)と主張する。ひとくちに「営業職」と言っても、業界やBtoB/BtoCといった種別、顧客属性によって「理想像」は異なる。生成AIの活用シーン・頻度にも違いが生じるだろう。「営業職」を細かく分けてとらえたうえで、生成AI活用の重要性を考える必要がある。
いずれにしても、これからの時代のニューヒーローはその分野の専門性を持った営業職です。特定の分野にフィットした、生成AIの活用方法や自身のスキルとの組み合わせを図っていくことが大切です。(p263)
ほかにも本書では、生成AIから欲しい答えを引き出す14個のツボや、生成AI活用を普遍化するマネジメント、ディップとセレブリックスの事例などを紹介。営業における生成AI活用の理解・イメージをうながす、まさに「営業のためのAI活用上達本」(p2)と言えるだろう。
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