実は商談になりえた? ホット・コールドの判断の「ばらつき」
ふたつめの課題は、接客後の判断の「ばらつき」だ。展示会で接客し、「このお客様は商談になる」と判断したものの、結局はそうならない場合もある。人がジャッジしている限り「熱い」「熱くない」という温度感の判断には「ばらつき」が生じ、誤ることもあるわけだ。
中でももっとも問題なのは、接客した人は「商談にならない」と判断したが、実は商談になりえたケースである。自社で商談を逃したために、展示会に出ていた競合他社に流れてしまうこともあり得る。
村尾氏は、この問題を解決するために「フェーズの再判定」を推奨する。展示会後のサンクスメールに、フェーズの再判定をするランディングページへの誘導リンクを設定し、確度の高い人の反応を得られるようにするのだ。フェーズの再判定ページには、次のように上部と下部にコンテンツを配置する。
ページの上部には資料請求のフォームを設置することで「わざわざフォームに登録してまで資料がほしい」熱い潜在顧客からの反応を得る。また、下部にはQ&Aを設置し、できればクリックを取得する。ページを下のほうまで見て、さらにクリックしたら確度が高いと再判定できる。
展示会で個人情報を取得しているため、資料請求フォームへの入力は一見不要に思える。しかし、この施策の目的は確度が高い人が混じっていないかを再判定することである。村尾氏は「わざわざ登録してまで資料が欲しい人なのかを判断するために、ハードルを高く設定していただきたい」と強調した。
とはいえ再判定のフォローを実施することで、どれほどの成果が出るのか。シャノンでは、一度商談化しないと判断した名刺からの商談率が「8%~12%に上がった」という実績が出ている。
「人が接客する限り、商談になる・ならないの判断には『ばらつき』があります。この問題に対しては、フェーズの再判定という仕組みを使って『実は熱い』人を発見すること。そのためには、サンクスメールから再判定をする仕掛けをつくったページへ誘導し、その人たちの動きをキャッチしてフォローすることが必要です」(村尾氏)