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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

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ホットな見込み客数216%増の事例も! 3つの「ばらつき」を解消し展示会で成果を挙げる仕組みとは

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 マーケティングや営業のデジタル化が進んでも、新規顧客開拓に有効な「展示会」は多くの企業に重宝されている。しかし、その効果は最大化できているだろうか。シャノン マーケティング部 部長の村尾慶尚氏は、展示会の代表的な課題として「3つのばらつき」を挙げる。それぞれの「ばらつき」を解消し、あるいは許容しながら、高い効果につなげる方法を解説した。

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展示会における課題 3つの「ばらつき」とは

 シャノンはMAを代表とするマーケティングクラウド、それに関連するコンサルティング、アウトソーシングサービスを提供しており、BtoB、BtoC問わず幅広い業界で導入されている。同社のMAは本セッションのテーマである展示会との相性も良く、村尾氏は「私たちがお客様と一緒に培ってきたノウハウを提供したい」と述べ、セッションを開始した。

株式会社シャノン マーケティング部 部長 村尾慶尚氏
シャノンのマーケティング責任者。「SHANON MARKETING PLATFORM」を自ら活用してマーケティング課題を解決している。

 そもそも「展示会出展」はどのような目的で実施されるのか。村尾氏は、ほかの主流のBtoBマーケティング施策と比較して「質が高いリードを獲得しやすい」「手元にリードがなくても実施できる」という特徴を挙げる。つまり、手元にリードがなく、質の高いリードを獲得したい企業にとっては展示会を使った新規顧客開拓が有効だというわけだ。

 しかし、展示会での顧客開拓には課題を抱えている企業も多い。代表的な課題として、村尾氏は「3つのばらつき」を示した。

  1. 通路を歩いている人をブースに呼び込む集客の「ばらつき」
  2. 接客をしたあとの温度感の判断の「ばらつき」
  3. 成果につなげるためのフォローの「ばらつき」

 このようにブース集客・接客・フォローそれぞれの段階において、スタッフの対応に「ばらつき」が生まれていると村尾氏は指摘し、これらの解消方法を順に説明した。

集客と接客の「バディ制」でホット名刺の数が昨年比216%増

 展示会は、目の前の通路を歩いている人たちをブースに呼び込まなければ始まらない。ブランド力が強く顧客側から足を運んでくれるブースではない限り、多くの企業は積極的な集客が必要だ。

「理想を言えば、展示会の主軸となるマーケだけではなく、ヘルプに来てくれている営業や技術のスタッフも、全員一丸となって目の前の人たちに声掛けをするのが理想です」(村尾氏)

 しかし、現実的には難しい。とくにマーケティングチームと営業の間には集客に対するモチベーションの差がある。村尾氏は「売上目標を達成するために、既存顧客の深耕に注力している営業は、新規しかいない展示会に前向きになりにくいのではないか」と投げかけた。一方で、展示会で熱い見込み顧客に出会えたら、営業も積極的にアプローチしたいはずである。

 そこで村尾氏は、集客のばらつきの解決策として「集客」と「接客」の役割分担を提案した。つまり、集客はマーケが中心になり、人手が足りない場合は外部スタッフを採用する。その人たちが集客した顧客を、営業が接客をする仕組みだ。ここで、役割を分けるだけではなく、集客担当と接客担当が1組になる「バディ制」を用いることが望ましい。お互いの立ち位置を決めて把握することで、スムーズな引き継ぎができるという。

 村尾氏はこのバディ制の効果として、2022年と2023年の「デジタルトランスフォーメーションEXPO」の実績で「見込みが高いと言える『ホット名刺』が216%増えた」という事例を示した。

「接客をしに来てくれている営業と、集客を頑張りたいマーケでは、構造上モチベーションが一致しにくい。役割分担をしてバディを組み、さらに立ち位置まで決めて運用すると、集客の『ばらつき』が解消し、ひいてはホット名刺を増やすことにつながります」(村尾氏)

実は商談になりえた? ホット・コールドの判断の「ばらつき」

 ふたつめの課題は、接客後の判断の「ばらつき」だ。展示会で接客し、「このお客様は商談になる」と判断したものの、結局はそうならない場合もある。人がジャッジしている限り「熱い」「熱くない」という温度感の判断には「ばらつき」が生じ、誤ることもあるわけだ。

 中でももっとも問題なのは、接客した人は「商談にならない」と判断したが、実は商談になりえたケースである。自社で商談を逃したために、展示会に出ていた競合他社に流れてしまうこともあり得る。

 村尾氏は、この問題を解決するために「フェーズの再判定」を推奨する。展示会後のサンクスメールに、フェーズの再判定をするランディングページへの誘導リンクを設定し、確度の高い人の反応を得られるようにするのだ。フェーズの再判定ページには、次のように上部と下部にコンテンツを配置する。

 ページの上部には資料請求のフォームを設置することで「わざわざフォームに登録してまで資料がほしい」熱い潜在顧客からの反応を得る。また、下部にはQ&Aを設置し、できればクリックを取得する。ページを下のほうまで見て、さらにクリックしたら確度が高いと再判定できる。

 展示会で個人情報を取得しているため、資料請求フォームへの入力は一見不要に思える。しかし、この施策の目的は確度が高い人が混じっていないかを再判定することである。村尾氏は「わざわざ登録してまで資料が欲しい人なのかを判断するために、ハードルを高く設定していただきたい」と強調した。

 とはいえ再判定のフォローを実施することで、どれほどの成果が出るのか。シャノンでは、一度商談化しないと判断した名刺からの商談率が「8%~12%に上がった」という実績が出ている

「人が接客する限り、商談になる・ならないの判断には『ばらつき』があります。この問題に対しては、フェーズの再判定という仕組みを使って『実は熱い』人を発見すること。そのためには、サンクスメールから再判定をする仕掛けをつくったページへ誘導し、その人たちの動きをキャッチしてフォローすることが必要です」(村尾氏)

フォローの「ばらつき」を解消する、事例×DM施策

 最後に、展示会後のフォローの「ばらつき」の課題と、その解決策について解説された。接客は人が行い、相手に合わせてフォローするため、どうしても対応の内容に「ばらつき」が生まれる。この課題を解消するには、人によるフォローに加えて「コンテンツを軸にしたフォロー」を追加するべきだと村尾氏は言う。どの企業も持っている鉄板のコンテンツは「事例コンテンツ」のため、まずは事例から顧客に届けることを推奨した。

 ただし、単にメールで事例を送っても見てもらえないという問題がある。メールのクリック率は高くても1%と言われ、99%の人は見ない確率が高いのだ

 そこで村尾氏は、DMを活用した施策を提案する。まず業界ごとにリードをセグメントして、紙のDMを送り、そのDMが届くころに内容を連動させたメールを配信する。反応があれば営業に通知を飛ばし、そこでフォローするという流れだ。DMの送付費用が懸念される場合は、自社のターゲットの職種や、役職の高いリードに絞り込むと良い。

 展示会というアナログな施策で接点を持った顧客に対しては、アナログな施策であるDMも効果が高いと考えられる。シャノンの実績では、事例DMを送付したうえでの電話フォローで生まれるアポ率は約9%だという。

「人によるフォローは、良い意味でも悪い意味でも『ばらつき』が出てくるもの。それを補うかたちで、事例コンテンツを軸にしたDM・メール・電話のフォローを積み重ねると良いでしょう」(村尾氏)

 本セッションでは、展示会における集客・判断・フォローの「ばらつき」を乗り越えるための、仕組み化が紹介された。村尾氏は次のように各課題への施策を振り返り、セッションを終えた。

「ひとつめの集客の『ばらつき』は、役割分担とバディ制を実施すること、ふたつめの判断の『ばらつき』には、フェーズの再判定を活用すること、3つめのフォローの『ばらつき』は、コンテンツを軸としたフォローを追加することで改善することができます」(村尾氏)

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提供:株式会社シャノン

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https://saleszine.jp/article/detail/5555 2024/03/15 10:00

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