年間契約社数451社の営業組織になるまで
Qiitaの田中と申します。新卒でエイチームに入社し、2018年10月に「Qiita」を扱うIncrements(現:Qiita)に出向したのち、転籍を経て現職に至ります。セールス・マーケティング、事業開発を経験後、エンジニア特化の採用支援サービス「Qiita Jobs」の事業統括を担当しています。現在、「Qiita Jobs」の年間契約企業数は451社――毎月平均35社程度を獲得するフェーズにまで成長しました。本セッションでは、「ターゲット企業の選定」「マーケティングの取り組み」「組織づくり」の3点に触れながら、「Qiita Jobs」がどのようにして営業組織をつくり上げ、実績を高めていったのかを解説します。
営業組織づくりにあたっては、「誰(どんな企業)に届けるサービスなのか」「自分たちに適した組織体制」という2点の明確化に注力しました。
「誰(どんな企業)に届けるサービスか」
我々は、BotoBtoC――いわゆるプラットフォーマーの立ち位置にあるため、順番としてはユーザーを獲得したのちにターゲット企業を検討していきました。実際にイノベーター理論で検討したところ、ターゲット企業はおよそ5,000社、初期ターゲットとなりうる企業は800社程度であったと記憶しています。なお、初期ターゲットとして設定したのは、情報感度が高く新しいものを積極的に導入することに抵抗がない「イノベーター」、そして世間や業界のインフルエンサーになりやすい「アーリーアダプター」です。「ROIの向上」と「効率的なマーケティング活動」というふたつの観点からターゲットの解像度を高めていきました。
「自分たちに適した組織体制」
新規事業ということもあり、リリース間もないころはプロダクトの完成度を高めるべく常にアップデートに向けたブラッシュアップに取り組んでいたように思います。一方で、エンジニア向け採用サービスのニーズは高く、いわば「プロダクトは目指すところまで完成していないものの、多く引き合いがある状況」にありました。
選ばれ続けるサービスになるために我々が重きを置いたのは「プレファレンス」――いわば、何をすれば選ばれるのか、という視点です。プレファレンスを高めていくうえでは、「ブランドエクイティ」「価格」「製品パフォーマンス」の3点に着目していきました。